英語のネイティブ・スピーカーと、非ネイティブ・スピーカーの私の英語を比較する企画の6回目です。英語を話すということを突き詰めて考えれば、英語の基本文 [主語 動詞 動詞に関連 +α] を作成し続けるということです。
自分以外の人間(ここでは英語のネイティブ2人と、英語の非ネイティブ1人)の英文がどう形成されているのかを理解することで、自分がどう英文を作成していくかにつながる何かしらの気づきが見えてくるはずです。
- 非ネイティブな私と英語のネイティブの英文を並べて比較
- 私がどう英文を作成したのかという過程を細かく分析
- 英語のネイティブの英文を見て浮かんだ疑問への質疑応答
という段階を経て、最終的にどうしていくべきかを解説していきます。(そこから英会話上達へのヒントを探ります)
実際に日本語を英文にすることで、どう英文を作成していくかのを具体的に考えます
利用するのは、以下の日本語です。
TITLE: [ボブ、今、どこに住んでんだ?] -6
John :あの辺は、夜はマジで危ないんだぞ。他の奴に聞いてみろ!
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Bob: ホントかよ~?、おっ、ちょうどマルダが来たから聞いてみよう。マルダあのさ~、俺、あのスーパーの近くに住んでんだけど、ここから、そのホテルまで授業が終わってから歩いて帰るのは自殺行為かね?
Malda:ありえない!本当に言ってんの?!
場面設定は、コロンビアの英会話スクールに通うボブと友達、先生が授業が終わった後に学校の前で冗談を言い合っての会話。基本的に生徒と先生は、仲良くなると友達感覚でため口で話しているので、formal な言い回しはほとんど出てきません。
[登場人物]
1,Bob ,,, 学校に通う生徒(一番の目的は英会話学習より...友達作り)
2,John ,,, ボブのクラスの担当教師で、後のボブの友達。
3,Malda ,,, 学校の教師でチーフマネージャー(女性)。ジョンの上司。
4,George ,,, 現職の警察官。とってもチャラくてナンパ好き。
点線より上は以前に説明しているので、今回は点線より下を英文にします。
それ以前の私とネイティブの英語/分析等は、こちらをどうぞ。(1から続く話です)
では実際に英文を作成してみます
最初の文は、
1,[ホントかよ~?、おっ、ちょうどマルダが来たから聞いてみよう]
私の: Really? Oh, Malda is coming . I'm asking her .
Dave: You can’t be serious?! Oh, there is Malda. Let’s ask her!
Andy: For real?? Let’s see what Malda has to say about it.
私の英文作成の過程から解説していきます。私が英文の作成に活用するのは、[英語の基本文] と、[日本語を活かす] という発想です。
基本文を簡単に説明すると、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は、[主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは、状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連] ,,,, 基本、名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it(正確には、動詞に関連するもの)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には、接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていく] ことを意味しています。
基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
最初の [ホントかよ~?] は、
=> Are you serious ?
=> Are you kidding ?
=> You gotta be kidding ? 等でも表現可能ですが、
ここでは軽い雰囲気を出したいので、もっと簡単な [Really ?] にしようと思います。
次に [おっ、ちょうどマルダが来たから聞いてみよう] という文ですが、このままだと英語にしずらいと感じるので、この文を二つの日本文に分解します。
1, [おっ、ちょうどマルダが来た] と、
2, [(マルダに)聞いてみよう] という二つに。
1つの日本語の文を、そのまま1つの英文にしようと考える必要は全くありません。自分が英文化しやすいように頭の中でどんどん日本語を組み替えていきましょう。これは英語を話すために重要な技術です。
そうすると、[おっ、ちょうどマルダが来た] ですが、マルダがこちらに向かって(歩いて)きたことを表現したいので、
私なら、
=> Oh, Malda is coming . にします。
[(通常) ~している] ことを表現するのは現在形ですが、[(今現在) ~している] ということを表現するのは現在進行形を用います。
そして、そこに足りていない説明の [(マルダに)聞いてみよう] を付け足して、
=> Oh, Malda is coming . + I'm asking her . とします。
ここでも、現在進行形が利用されてますが、この現在進行形は、[(今現在) ~している] という意味での利用ではなく、[これから ~する] こと(未来)についての意味で利用されています。
[これから~するんだ] という軽い感じの決定に対してや、[すでに決定していること] を表現する場合は、この現在進行形が利用可能です。難しく考える必要はありません。単純に基本文の動詞が拡張した文です。
ここでは助動詞の [will] を使って、
=> I'll ask her . でも問題ないです。
将来についての表現を詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
2人は [ホントかよ~] を、[You can’t be serious?!] [For real??] としていますね。[ホントかよ/マジかよ] は考えていくと色々な表現が可能です。知らない英語の表現はどんどん吸収していきましょう。ここでは2人とも [Let's ~] [~しよう] を利用しています。
Andy の英文で一つ疑問があるので聞いてみます。
Bob:[Let's see what Malda has to say about it.] の文に、[has to 動詞(~しなければならない)] を使っていますが、それだと意味が合わない気がするのですが?
Andy:この [has to say]は言わなければならないのではなくて、[言う事がある]という意味で利用しています。或いは [マルダは、何て言うか聞いてみよう] という感じです。
なるほど、ここでの [have] は [~がある] という意味での [have] ということですか。この [what] は、関係代名詞 [what] ではなく、間接疑問文の [what] ということですね。
間接疑問文は、[what/why/who/whether等 + 基本文] で名詞の塊を作成するもので、
=> [疑問詞 主語 動詞 +α] か、
=> [疑問詞 to 動詞 +α] で形成されるものです。
名詞の塊を作成できるので、主語か、動詞に関連として活用できます。
わかりにくいのは関係代名詞 [what] と、間接疑問文 [what] の形が [what 主語 動詞 +α] と同じだからです。どちらも名詞の塊なので、[what] を使えば、[(が) ~するもの/こと] と、[何を(と)~が~するのか] という意味で活用できると覚えましょう。(間接疑問文については、疑問詞を説明する時に一緒に説明する予定です)
私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [マジで!マルダが向かって来てる。彼女に聞いてみよう]
Dave: [ホントかよ!おっマルダがいる。彼女に聞いてみよう]
Andy: [マジで!確かめてみよう 何てマルダが言うか それについて]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [Really? Oh, 基本文の核(進行形-~している) . 基本文の核(進行形-~する).]
Dave: [基本文の核?!(-動詞が拡張) Oh, there is 名詞(主語). Let’s ask her!]
Andy: [For real?? Let’s see + what 基本文の核 + about it.]
次は、2,[マルダあのさ~、俺、あのスーパーの近くに住んでんだけど、ここから、そのホテルまで、授業が終わってから歩いて帰るのは自殺行為かね?]
私の: Malda , I live around AB mart . Is it suicidal to walk home after class ??
Dave: Hey! Malda! I am living near the supermarket.
So I was wondering if it would be suicidal to walk from this school to the hotel after class.
Andy: Hey Malda. Anyway, so, I live next to that supermarket.
Is walking from here to that hotel after class suicidal?
この日本語も非常に長いので、これも二つの文に分解してしまいます。
この文は単純に前後で分割します。
1, [マルダあのさ~、俺、あのスーパーの近くに住んでんだけど]
2, [ここから、そのホテルまで、授業が終わってから歩いて帰るのは自殺行為かね] と。
さらに、1の文を英文化しやすくするために、語尾を [住んでんだけど => 住んでんだ] に変更します。
そうすると、[マルダあのさ~、俺、あのスーパーの近くに住んでんだけど]
=> [マルダあのさ~、俺、あのスーパーの近くに住んでんだ] となります。
それを英文にするなら、[マルダあのさ~、俺は、住んでいる あのスーパーの近くに] ということですから、
=> Malda , I live around AB mart . とすれば問題ないと思います。([around] は [live] とセットで動詞と考えてください)
[around] は、[near] でもいいと思うのですが、第一回目のネイティブとの比較の英文で [near] を利用したので、今回は [~の辺りに/近くに] という意味で利用可能な [around] にしました。
そうすると残りは、[ここから、そのホテルまで、授業が終わってから歩いて帰るのは自殺行為かね] ですが、この文を見て私が思う浮かべるのは、[~ですか ~することは] という英文で対応できるなということです。
[~ですか ~することは] = [It is 形容詞/名詞 to 動詞 ~] で表現できます。良く使う英語表現をパターン化して覚えておくと記憶を引き出しやすくなります。
なのでここで注目するのは、[自殺行為かね] という最後の部分にです。[自殺行為] という部分を、[suicid] という名詞を使うか、[suicidal] という形容詞を使うのか悩みますが、文を単純にしたいので [suicidal] にして、
=> It is suicidal (自殺行為です)
この文は、マルダに [~ですか?] と尋ねている文なので、英文を疑問文にして、
=> Is it suicidal ? (自殺行為かね ?) とします。
(名詞 [sucid] を使うなら、=> Is it like a act of suicid ~)
そうすると、後は足りていないのは [~することは] という部分なので、難しく考えず、[歩いて帰るのは] を => [歩いて帰ることは] に頭の中で変換して、
=> Is it suicidal + to walk home ? (自殺行為かね 歩いて家に帰ることは) とします。
ここで、[to walk home(歩いて家に帰ることは)] を活用したことで、[そのホテルまで] という部分も一緒に英文化したことになります。
すると残りは [授業が終わってから] なので、
=> Is it suicidal to walk home + after class ?? (自殺行為かね 歩いて帰ることは 授業が終わってから)
また、[after class] としたことで、[ここから] という意味も英文化できていると言えます。
なので全文は、
=> Malda , I live around AB mart .
=> Is it suicidal to walk home after class ?? となります。
私は、通常、この [It is 形容詞/名詞 to 動詞 ~] を利用する場合、[It is 形容詞/名詞] までで切れ目を入れ、そこで間を取り残りの説明 [to 動詞 ~] を付け足していきます。
今回のような疑問文でも同じ所で、間を取ります。その場合、切れ目の前の所の語尾を上げて発声することで、この文は疑問文だということを自分と相手に認識させます。
=> Is it suicidal ↑↑ (語尾を上げる) (自殺行為かね(な)↑↑)
そうすることで疑問形の作成作業を自分の中で完了させ、後は足りない説明を付け足すことに集中できると考えているからです。
[suicidal] とは違う形容詞を当てはめて練習を繰り返すことで、通常文と、疑問文の両方、このパターンの英文を利用するリズムを身につけていきましょう。
=> It is suicidal /+ to 動詞 ~ .
=> Is it suicidal↑ /+ to 動詞 ~ ?
ここでは2人に疑問があるので聞いてみます。
Bob:ここでの [I was wondering if ~] は控えめ/丁寧な表現というより、[知りたいと思うんだけど] という意味ですか?
Dave:そうです。この場合の [wondering] は考え事や気になっていることがある場合に使います。日本語で考えると [~と気になっていたんですけど] かなと思います。
Bob:ここでの [next to] は [隣の] ではなく、[near/around]と同じ[~の近く」という意味で使っているのですか?
Andy:その通りです。場合によっては [next to] での表現も可能です。
Andy の英文、Is walking from here to that hotel after class suicidal ?? は、Walking from here to that hotel after class is suicidal . という文が疑問文になっているのですが、この文は、[Walking from here to that hotel after class] までが主語です。
こういう長い主語を用いた文の疑問文を利用するのが難しいと感じる場合は、あまり難しく考えず、[通常文をそのまま使って] 文の最後を上げて発声して疑問形にしましょう。
=> Walking (歩くことは)
=> Walking + from here to that hotel (歩くことは ここから あのホテルまで)
=> Walking from here to that hotel + after class (歩くことは ここから あのホテルまで 授業の後に)
=> [Walking from here to that hotel after class] + is suicidal ↑ .
(接着剤 + 説明で拡張した長い主語 動詞 動詞に関連)
そうすることで、この文のように、主語を順々に拡張させるなど、基本文の核 [主語 動詞 動詞に関連] に何を当てはめていくかという部分に集中できます。自分が英文を作りやすい方法を、自分自身で模索しながら確立していきましょう。
私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [マルダ、俺ABマートの近くに住んでんだけど。自殺行為かね ここから歩いて帰るのは 授業の後に]
Dave: [マルダ、俺ABマートの近くに住んでてさー。気になってたんだけど 自殺行為かな ここから歩いて帰るのは 授業の後に]
Andy: [マルダ、あのさー俺ABマートの近くに住んでんだけど。歩いてここから授業の後に帰るのは自殺行為かね]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [Malda , 基本文の核. Is it 形容詞 to 動詞 +α + after class?]
Dave: [Hey! Malda! 基本文の核. So I was wondering if it would be 形容詞 to 動詞 + from 場所 + to 場所 after class.]
Andy: [Hey Malda. Anyway,so, 基本文の核.Is walking + from here + to that hotel + after class 動詞に関連?]
続いて、3,[ありえない!本当に言ってんの?!]
私の: Are you kidding? I can't believe what you said !
Dave: Oh my god! You must be joking!!
Andy: No way! Are you being serious??
[ありえない!!] は、
=> Are you kidding ??
=> Are you serious ??
=> Are you being serious ??
=> You must be joking !!
=> You must be kidding !! 等、様々な表現で表せます。
これらの英語表現を素早く記憶から引き出すためには、同じように活用できる複数の日本語 [マジかよ/本当かよ!!] 等と一緒に頭に入れておくと効果的です。その中で軸とするものを決めておきましょう。私は上2つを好んで利用するのでここでは、=> Are you kidding ? とします。
残りの [本当に言ってんの?!] をどうするのかですが、英文作成を容易にするために日本語を、[あなたが言っていることは信じられない!] と頭の中で変換します。その日本語を英語にするなら、[(私は)信じられないよ! + あなたが言っていることが] の順になります。
[(私は)信じられない] は、正確に言えば [(私は)信じることができないよ] ということなので、助動詞 [can] を使って、=> [I can't believe] を利用します。
そうすると後は [あなたが言っていることが!!] ですが、[~が ~する/したこと] という表現は、関係代名詞の [what] を活用することで表現可能です。
関係代名詞 [what] は、[what + 説明(主語 動詞 ~)] 全体で、動詞に関連(または主語)を形成します。
関係代名詞 [what] を使う事で、[(が) ~するもの/こと] という名詞の塊を作成できます。英語で名詞が使われる場所は、基本文の主語か、動詞に関連の位置です。
ここでは、
=> I can't believe + [あなたが言ったこと] としたいので、
関係代名詞 [what] を使って [what you said] とします。
=> I can't believe + what you said ! (信じられないよ あなたが言っていることが)
わかりにくかったら、以下の流れで英文を考えてください。
=> I believe it. -(何も拡張していない基本文の核)
=> I can't believe it. -(動詞が拡張した基本文の核)
=> I can't believe what you said ! -(動詞が拡張し、動詞に関連も拡張した基本文の核)
(接着剤の関係代名詞 [what] は、まだ後になりますが詳しく説明予定です)
接着剤についての大まかな説明は、こちらを読んでください。
Andy の [ありえない!] => [No way!] も、[Are you kidding ?] 等と一緒に頭に入れておきましょう。ここでは特に質問はないのですね。
私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [ありえない。信じられないよ あなたが言っていることを!]
Dave: [マジかよ。お前は冗談を言っているに違いない/んだろ!]
Andy: [ありえん。お前正気じゃないだろ!]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [Are you kidding ? I 拡張した動詞 what you said(what以下が動詞に関連)!]
Dave: [Oh my god! You must be joking!!-(動詞が拡張した文)]
Andy: [No way! Are you being serious??-(動詞が拡張した文)]
どうやって自分の英語を上達させていくのか?
最初に必要なのは、英単語のインプットです。
ここで意識してほしいのは工夫を忘れないということです。ただ闇雲に英単語を覚えていくだけだと、記憶の定着率が低く忘れていくのも速くなります。
お勧めは、動詞を中心にして形容詞と名詞を増やしていく方法です。
動詞は自身が日常会話で使っている日本語を活用します。まず、いくつか日本語の動詞をピックアップして、それらを英語の動詞に変換します。その日本語に対応する英語の動詞がわからない場合は、自分で調べて頭に入れます。
ここで基本文を活用します。(主語は拡張させず、I, You, He, She, We, They, It を利用)
そうすると、基本文 [主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)] の [主語 動詞] まではできているので、[動詞に関連] に当てはまる形容詞/名詞を色々考えて英単語のストックを増やしていきます。そうすることで、英語の動詞を思い浮かべた段階で、英語の形容詞や名詞を一緒に記憶から引き出しやすくするのです。
日本語の動詞 => 英語の動詞 => 英語の形容詞/名詞 と記憶を紐づけしていく感じです。
なぜ動詞を中心にするべきなのかは、こちらに書いてあるのでどうぞ。
自分ではない誰かの英文を眺めているだけではあなたの英語は上達しません。知らなかった英語に関する知識を知ったなら、コツコツとそれを自身のものにしていきましょう。そういったことの積み重ねがあなたの英会話を上達させていきます。