上手な人のやり方を見る/真似るという事は、何事においても上達への効果的手段として良く取り上げられます。これは英語の上達においても当然あてはまります。英語のネイティブスピーカーの英文から吸収できることは沢山あります。ただいきなり英語のネイティブの英文を眺めるのもハードルが高いので、非ネイティブな私の英文作成過程をクッションとしつつ彼等の英語を有効活用してみましょう。
- 非ネイティブな私と英語のネイティブの英文を並べて比較
- 私がどう英文を作成したのかという過程を細かく分析
- 英語のネイティブの英文を見て浮かんだ疑問への質疑応答
という段階を経て、そこから英会話上達へのヒントを探ります。
英語を上達させるために英文の作成過程を分析する
利用するのは、以下の日本語です。
TITLE: [ボブ、今、どこに住んでんだ?]-13
Geor: ハハッ、そんなに上手くいくとは思わないけど。(笑)
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Geor: ボブ、もし逃げられないと思ったら、抵抗しないで金は全部出すように。その時は生きてりゃラッキーって考えるべきだな。
John: ほら俺の言ったとおりだろ。お前の考えてる危険と、ここでの危険は全く違うって考えたほうがいいぞ。
場面設定は、コロンビアの英会話スクールに通うボブと友達、先生が授業が終わった後に学校の前で冗談を言い合っての会話。基本的に生徒と先生は、仲良くなると友達感覚でため口で話しているので、formal な言い回しはほとんど出てきません。
[登場人物]
1,Bob ,,, 学校に通う生徒(一番の目的は英会話学習より...友達作り)
2,John ,,, ボブのクラスの担当教師で、後のボブの友達。
3,Malda ,,, 学校の教師でチーフマネージャー(女性)。ジョンの上司。
4,George ,,, 現職の警察官。とってもチャラくてナンパ好き。
点線より上は以前に説明しているので、今回は点線より下を英文にします。
それ以前の私とネイティブの英語/分析等は、こちらをどうぞ。(1から続く話です)
私が(ここでの危険は違う等)を英語にする流れとは?
1, [ボブ、もし逃げられないと思ったら、抵抗しないで金は全部出すように]
私がこの日本語を見て感じるのは、[もし~なら] なので [if] の文だなという点です。
[if] は通常 [If 基本文1, 基本文2] 形で利用します。[もし~なら] という文と、[~する] という2つの文に上手く収まるように日本語を頭の中で、
1,[ボブ、もし逃げられないと思ったら] と、
2,[抵抗しないで金は全部出すように] の二つに分けて英語にしていきます。
最初に [ボブ、もし逃げられないと思ったら] ですが、ここでの [思ったら] は素直に [think] を使い、[逃げられないと思ったら] は [~するのが不可能] と考えて、[it's impossible to 動詞] を活用しようと思います。
なのでここまでを英文にすると、
=> Bob, if you think it's impossible to escape (ボブ、もし思ったら 逃げるが不可能と)
この [it's impossible ~] の形は非常に便利に利用できます。
以下のようにまとめて頭に入れておきましょう。
=> It's possible to 動詞 ~ => (可能 ~することは/が)
=> It's impossible to 動詞 ~ => (不可能 ~することは/が)
否定文も一緒に頭に入れておくとより効果的です。
=> It's not possible to 動詞 ~ => (可能ではない ~することは/が)
=> It's not impossible to 動詞 ~ => (不可能ではない ~することは/が)
残りは [抵抗しないで、金は全部出すように] ですが、[金は全部出すように] は [~するように] ということですから、[~した方がいいよ(いいぞ)] として使える [should] を利用します。そして [金を全部出すように] は、[金を全部与えるように] ということですから[give] を使って、
=> you should give them all your money. (君は出した方がいい 彼等に 全てのお金を)
後は [抵抗しないで] ですが、接着剤 [with] をここでは活用して [with no resistance] とします。
=> you should give them all your money +with no resistance
全てをつなげると、
=> Bob, if you think it's impossible to escape, you should give them all your money with no resistance. (ボブ、もし思ったら 逃げるのが不可能と 出した方がいい 彼等に全てのお金を)
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は [主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連] ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞(正確には動詞に関連するもの)-[目的語/補語] でも可
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。
基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
2, [その時は生きてりゃラッキーって考えるべきだな]
ここでも日本語全体を英文にしやすいように変更します。(もちろん意味が近い形での変更です)
[その時は生きてりゃラッキーって考えるべきだな] を、[もしお金を失っただけなら、ラッキーと考えるべきだな] にします。
英文にしやすいように頭の中で日本語を微調整していくのは英語を話す上で重要な技術と考えてください。
[もしお金を失っただけなら] の [お金を失う] を [you lose your money] として、そこに [もし~] の [if] と、[~だけ] という意味で使える [just] を用いて、
=> if you lose just your money (もしお金を失っただけなら)
残りの [ラッキーと考えるべきだな] は、[考えるべきだな] を難しく考えず [should] と [think] を使い、
=> you should think (あなたは考えるべき) として
[think] の後に、基本文で [(お前は)幸運だと] とすればいいので、
=> you should think + you're lucky. (君は考えるべきだ 自分は幸運だと)
全てをつなげると、
=> If you lose just your money, you should think you're lucky. (もしお金を失っただけなら 幸運と考えるべきだよ)
始めに頭に浮かんだ日本語にこだわる必要は全くありません。自身が英語にしにくいと感じたら、頭の中で近い日本語に変換して英文を作成していきましょう。日本語を上手に活用する意識を持って練習を積み重ねれば問題なくできるようになります。
3, [ほら、俺の言ったとおりだろ]
ここは [俺の言ったとおりだろ] を、[お前に話した通りだろ] と考えて、
=> See ,I told you.
こういう表現の場合、[said] より [told] の方がしっくりくる気がします。[お前に(君に)] を意味する [you] があるからからもしれません。概ね [言っただろ/言ったよ] といった意味のものは、この [I told you] で何とかできます。
4, [お前の考えてる危険と、ここでの危険は全く違うって考えたほうがいいぞ]
この文で注目したいのは、[考えたほうがいいぞ] という部分です。ここでの [考えたほうがいいぞ] には、[~した方がいい さもないと ...] という意味合いが込められています。
そういった場合、[had better] という表現が効果を発揮します。
=> You had better 動詞 ~ これは、大抵、短縮されて、
=> You'd better 動詞 ~ で利用されます。
ここでの動詞は [考えたほうがいい] ですから、
=> You'd better think
通常 [~した方がいい] を利用する場合は、[さもないと...] という要素が含まれていない [should] を活用しましょう。
[had better][should] 等については、こちらも参考にしてください。
そうすると後は [お前の考えてる危険と、ここでの危険は全く違う] をどう英語にするかです。この日本語を見て私が考えるのは、これは [~と ~とは違う] という文だということです。
私はこの [~と ~とは違う] という文は、[It's different between 名詞 and 名詞] で表現することが多いです。
ここでは表現したいのは、
=> It's different between (お前の考えている危険) and (ここでの危険). ですから、
[お前の考えてる危険] => the dander (that) you image
[ここでの危険] => the danger here in Colomnia という英語にします。
どちらも名詞 [the danger] を関係代名詞 [that]、前置詞 [in] で説明を補足しています。
そこに [completely(完全に)] を使って [違う/別物だから] という部分を強調します。
=> it's completely different between the danger you image and the danger here in Colombia (全然違う お前が考えている危険と ここでの危険は)
全てをつなげると、
=> You'd better think it's completely different between the danger you image and the danger here in Colombia. (考えた方がいいぞ 全然違うと お前が考えている危険と ここでの危険は)
英語のネイティブの英文を眺めてみます
では英語のネイティブスピーカーは、同じ日本語を見た時どんな英文を作成するのか見ていきます。
1, [ボブ、もし逃げられないと思ったら、抵抗しないで金は全部出すように]
Dave => Bob, if you can’t get away, don’t resist! Just give all your money.
Andy => Bob, if you think that you can’t get away, make sure you don’t resist, and give them all of your money.
ここでは Andy に質問があります。
Bob:ここでの [make sure you don't resist] の[make sure] は、どういう意味で使っているのですか?
Andy:[必ず] という意味になります。もちろん場合によっては [確かめる/確認する] という意味になります。
私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [ボブもし逃げるのが不可能と感じたら 出した方がいい彼等に全てのお金を 抵抗せずに]
Dave: [ボブもし逃げられない場合抵抗するなよ!そして金は彼等に全て差し出すんだ]
Andy: [ボブもし逃げられないと思ったら 必ず抵抗せず 全ての金を彼等に差し出すように]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
Dave: [Bob,if 基本文1,基本文2(命令文)! 基本文.]
Andy: [Bob,if you think that 基本文1,make sure 基本文2 and 基本文.]
正確には [you think (that)以下~] の文は、[that以下] 全てが動詞に関連なのですが、[think,feel,know] 等と [that以下] の組み合わせだと、私は [I think +(that)基本文] と考える場合が大半です。理由はその方が英文を作成しやすいと感じているからです。
Dave が使っている助動詞 [can] については、こちらも参考にしてください。
2, [その時は生きてりゃラッキーって考えるべきだな]
Dave => If that happens, you should think of yourself as lucky if you get away with your life.
Andy => If that happens, you should consider yourself lucky to be alive.
なるほど [If that happens, ~] ですか。二人の文は似ていますが、結構差異があるのでわからない部分を質問していきます。
Bob:Dave さんの英文で [if] が2回登場しているのはなぜですか?
Dave:それはラッキーになるのには条件が二つなので、[if] は2回なんです。言い換えて [If that happens and you get away with your life] という言い方のほうが文法的に正しいかもしれません。ちなみに [think of yourself a lucky] の意味は [自分の運が良かったと思え] で、[get away with your life] の意味は [死なずに済む] です。
こういった部分は、やはり聞いてみないとわかりにくいですね。
Andy が使っている [consider] について質問します。
Bob1:[consider] と [think] をどういう感覚で使い分けていますか? 2,[you should consider yourself lucky ~] の [yourself] は強調ですか? なくても特に問題はないですか?
Andy1:[consider] と [think] は場合によって意味が一緒であったり違ったりします。 2,[consider yourself lucky] の全部でよく使う表現になりますので抜かしてしますと意味が通じなくなります。
なるほどここでの [consider] は、1つの決まった表現なのですね。
3, [ほら、俺の言ったとおりだろ]
Dave => See, I told you so!
Andy => See, I told you, man.
ここでは質問は特にないで、次に行きます。
4, [お前の考えてる危険と、ここでの危険は全く違うって考えたほうがいいぞ]
Dave => You have to realize that the danger here is greater than what you imagine it to be!
Andy => You should think of your idea of danger, and danger here as completely different.
Dave には少し単純な質問を。
Bob1:[~ what you imagine it to be!] の [it to be] はなくても問題ないですか? 2,[You have to realize ~] の [realize] は [understand] を使っても問題ないですか?
Dave1:無くても問題はないですね。2,ええ問題はないですよ。
私は [as] の使い方が結構苦手なので、ここで [as] を利用している Andy にそれについて質問します。
Bob:[and danger here as] の [as] はどのような使い方なのでしょうか?
Andy:[your idea of danger] と [danger here] を、[think of ~ as] で比較しています。
なるほどそういう使い方なのですね。
私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [考えた方がいいぞ 全く違うものだと お前が考えている危険とここでの危険は]
Dave: [君は認識しなければならない ここでの危険は 君が考えているものより大きなものだと]
Andy: [考えた方がいいよ 君が考えている危険と ここでの危険は完全に違うものだと]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
Dave: [You have to realize that 基本文(比較級利用)]
Andy: [You should think of A, and B as compeletely different.]
英語上達において欠けているものとは?
英語を話せるようになるには、勉強と練習が絶対に欠かせません。その勉強と練習は当然アウトプットのために行うわけですから、アウトプットしやすい形でインプットすることが重要になります。
例えば、[It's impossible to 動詞 ~ => (~することは/が 不可能)] と覚えずに、なるべく [不可能だ(ね) ~することは/が => It's impossible to 動詞 ~] と頭に入れていきます。その方が脳から記憶を引き出しやすいはずです。
インプットのためのインプットではなく、アウトプットのためにインプットする工夫を考え実行していこうということです。
私なら以下の2点と言えます。
- 1,日本語を活かす
- 2,基本文を活用する
アウトプットする時に、最初に頭に浮かんだ日本語に固執する必要はありません。表現したいことの近い意味に日本語の方を変換し、単語を基本文に当てはめ英文を作成していきます。
日本語の活用については、こちらも参考にしてください。
日本語を上手に組み替えていくのも英語を話すのためには重要な技術です。そういった要素を意識しながら勉強、練習することでどんどん自身の英語の基盤を強固にしていきましょう。