海外を旅して一旦コロンビアに落ち着き、本気で英語の勉強を再始動させた私は、初期の段階で動詞 [get] にフォーカスし続けた経験があります。
そうなった経緯は、1 英語の文は一つだと考えるようになる(英語の基本文を利用)。=> 2 英語の文を作成する肝は動詞だと気がつく。=> 3 沢山の動詞を覚えるより一つの動詞の変化で対応する方が楽かもという思考の流れを経たことによります。
今回は大量の [get] の表現を集中して覚えていく事で得られた効果と、ある幻想がもたらした物について説明します。
動詞 [get] へフォーカスした理由は?
私はバックパッカーとして旅をしてコロンビアに行きつくまでの長い間、英語を誰かに教えてもらおうと安易に考えていたので、なかなか英語で会話できるようにならず、英語に対していつもモヤモヤとイライラが混じり合ったような感覚を抱いていました。
そこからあるターニングポイントがあり、ガムシャラに英単語ばかり頭に入れたことで、少しだけ英会話上達への希望を見いだすことができました。
それについて詳しく知りたい方は、こちらを読んでください。
大量の英単語を短期間で集中して覚えたことは、私の英会話が上達しないことへの苛立ちを拭い去る重要な役割をはたしてくれました。そしてその流れで最も注目したのが動詞 [get] です。
動詞 [get] に注目し続けて得られたものとは?
動詞 [get] に注目して一番大きかったのは、自分の中に英語の軸を形成できた点です。
英単語を数多くインプットしていくことは、英語の上達には絶対に欠かせません。ただそれは木で例えると根や幹ではなく、枝や葉の部分です。
英語で会話をするためには軸(幹と根)となるものが必要です。幹や根となるのはたまにしか使わない動詞ではなく、[get] など重要度の高い動詞群です。
[get] の表現には以下のような利点があります。
1, 非常に幅広い意味を持つ
2, 日常で使える利便性を持つ
その二つの利点に魅せられて [get] の表現ばかり勉強と練習を積み重ねていったある時、私は一つの幻想を抱きました。
=>『 もしかして [get] を使いこなせれば、それだけで英語は話せるんじゃない? 』と。
まあこれは勘違いというか、完全に間違いです。(英語で会話をするためにはもっと沢山の動詞を覚える必要があります)
でもこうすれば英語が話せるようになるという筋道が見えていなかった私にとって、それは正しい道に見えたのです。
幻想を持ち続けて何を獲得したのか?
[get] の表現を使いこなせればそれだけで英語は話せるのでは?という幻想は、より一層私を [get] に執着させ、私の中の [get] 表現を強固にしていく原動力となりました。
その頃は何でも [get] を利用して英語で会話しようと考え、かなり無理して実行していたことを今でも鮮明に想い出せます。
そういった練習を積み重なることで、[get] で表現できることと表現できないことが私の中で明確になっていきました。これはある種の線引きが可能になったと言えます。
このような勘違いや間違いであれ自身をのめり込ませてくれるものは、上達への大きな力を秘めています。
幻想から始まった [get] への執着は、安定性を欠いていた私の英語の中に明確な一つの軸を形成する重要な動力となりました。
強固な軸が一つ形成されたことで、記憶を引き出す時の重要なとっかかりを獲得したと言えます。
第二言語を学ぶ過程で重要になるのは、インプットしたものをどうやって引き出すかです。記憶を引き出す時に重要な役割を担うのは、あなたの英語の軸となりあなたの記憶を引き出すとっかかりを作れるものです。
[get] は私にとって最初の記憶を引き出すフックになったのです。
とっかかりとなるものが存在すると、そこから記憶をたどって当てはめるものを探しやすくなります。沢山の動詞が混在したまま頭の中にある状態と、一つの強力な動詞が軸を形成している状態を思い浮かべてください。
沢山の動詞が混在した中から使いたい動詞を引き出すのと、一つの強固な動詞の中から使いたい動詞を引き出すのではどちらが効率よくアウトプットできるのかを。
それは今でも十分有効で、
-「まぁ、基本文に何かしらの英単語を当てはめれば何とかなるでしょ] という発想の他に、
-「最悪、{get} の表現で何とかしよう」
という単純な発想は、私が英語で会話をする時の基盤となっています。
それぐらい [get] で表現できるものは幅広く、信頼に耐えうるものということです。
勿論これは [get] に限らず重要度の高い動詞群にも同じことが言えます。代表的なものは [get, give, be, have, take, make, do, put] 等。これらの動詞の特徴は、単独でも結構表現できる幅があるだけでなく、前置詞や副詞等と結びついて表現できる幅をさらに拡げていける点にあります。(そういった特徴があるから重要度が高いとも言えます)
あなたが英文を作成する時に最初に決めるべきなのは、動詞です。動詞を決めることが英文作成の最初の一歩です。まずそこに注目しましょう。
[get] 以外の重要動詞については、こちらも参考にしてください。
動詞 [get] が持つ良さとは?
動詞 [get] [get +α] で表現できることは意味の幅が広く、日常的に使えるものが多いです。
それをアウトプットしやすいように分類わけしておくと効果的です。
- 1, [~を得る/獲得する/ゲットする] という意味に集約できるもの
- 2, [get +α] の中で意味が +α からイメージしやすいもの
- 3, [~(の状態)になる] という意味に集約できるもの
- 4, [~される] という意味に集約できるもの
動詞 [get] の表現の多くは、日常で使える英語表現なので汎用性が高いです。[get] の数多くの表現と分類わけについては、こちらに詳しく書いてあるのでぜひ参考にしてください。
ちなみに上記の中でお勧めした [get] の表現を数えてみた所、37個ありました。しかも実際はもっとある(他の [get] の記事には 72個)ので、コツコツ勉強して自身の [get] で表現できるリストを増やすことで表現可能な幅を拡げていきましょう。
幹だけでなく根も英語の会話上達には重要?
重要度の高い動詞はあなたの幹となると説明しましたが、ちなみに根となるのは英語の基本文です。
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)
英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤 説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語] ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。
英語の基本文について詳しく知りたい方は、こちらを読んでください。
もう少し正確に言えは、英語の文は一つと考えて常に基本文を利用して英文を作成する発想が根の部分になっているということです。
英語を勉強すると、最初の所で英語には五つの文型があると文法の本には書いてあります。その最初に出てくる五つの文型(五文型)を念頭において英語を話そうとすると、なかなか英文を作成できないはずです。
私は [ここは第何文型だから~] という発想で英語を話した事は一度もありません。(英語を話せる人はそんなこと考えていないはずです)
私は英語で会話をする時に五つ文型について考えることは一切なく、簡単な形(基本文)の中に英単語を当てはめていくという単純な発想で英文を作成しています。
五文型を否定しているわけではありません。それはあくまで後で英文を理解するために利用するものなのだと思います。
詳しくは、こちらに書いてあるのでどうぞ。
あなたの英語の根となるものが基本文である必要はありませんが、英文を簡素化して考える発想はあなたの英語を下支えしてくれるはずです。
私が見た幻想は勘違い/間違いでしたが、私は今でもそういう幻想を抱かせてくれた動詞 [get] に感謝しています。なぜなら [get] 表現へフォーカスし続けたことが、私の英会話能力を飛躍させたと断言できるからです。
私のように動詞 [get] の表現を覚えることに執着したからといって、皆さんが同じような幻想を抱くことはないかもしれません。ただもし英語を話したいけど話せない状態に悩んでいるのであれば、一度 [get] の表現を集中して覚え練習を繰り返してみることをお勧めします。それはきっとあなたの中に軸を形成する手助けをしてくれるはずです。