英語を話すコツを考える。

日本語の発想を活かす

無料は無理だから〇〇等、英語で表現するなら?-比較16

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英語上達のために必要なことは沢山ありますが、その中でもどういう理由で英文が形成されているのかを知ることは、非常に重要な位置を占めます。ある英文がなぜそうなっているのかを理解できれば、自身で再現したり応用させたりが可能になります。そういった技術を高めるためには他人の英語を観察することが有効なので、英語のネイティブと非ネイティブな私の英文を利用して英文構成の理解を深めていきます。

  •  非ネイティブな私と英語のネイティブの英文を並べて比較
  •  私がどう英文を作成したのかという過程を細かく分析
  •  英語のネイティブの英文を見て浮かんだ疑問への質疑応答

という段階を経て、最終的にどうしていくべきかを解説していきます。

英会話を上達させるために、私とネイティブの英語を比較し疑問を探る


利用するのは、以下の日本語です。

TITLE: [ボブ、今、どこに住んでんだ?]-16

John: そうだっ!うちの空いてる部屋貸してやろうか? ちょっと遠いけど安全だぜ。
 _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

Bob: おー、マジで! もしかして無料で? あとここから、どのくらいかかる?
John: 無料は無理だから、月に500ペソくらいでいいよ。あとここからだと車で20分くらいかな。

場面設定は、コロンビアの英会話スクールに通うボブと友達、先生が授業が終わった後に学校の前で冗談を言い合っての会話。基本的に生徒と先生は、仲良くなると友達感覚でため口で話しているので、formal な言い回しはほとんど出てきません。

 

[登場人物]
1,Bob    ,,, 学校に通う生徒(一番の目的は英会話学習より...友達作り)
2,John   ,,, ボブのクラスの担当教師で、後のボブの友達。
3,Malda  ,,, 学校の教師でチーフマネージャー(女性)。ジョンの上司。
4,George ,,, 現職の警察官。とってもチャラくてナンパ好き。


点線より上は以前に説明しているので、今回は点線より下を英文にします。
それ以前の私とネイティブの英語/分析等は、こちらをどうぞ。(1から続く話です)

www.colombiacolom.net

ネイティブと私が(無料は無理など)をどんな英語/英文にするか見ていきます


1, [おー、マジで! もしかして無料で?]

私の: Oh, really? Is it free??
Dave: Wow! Are you serious? Is the rent free?
Andy: Really?! Do you mean, for free??

(今回も、Dave, Andy に協力してもらいました)


私の英文から見ていきます。

ここは難しく考えず、[マジで?] は [本当に?] という意味ですから [really] を使って、
=> Oh, really? (おー、マジで!!)

[マジで?] という日常会話でよく使う表現は、Dave が利用している [Are you serious?] の他に、[Are you kidding?][You gotta be kidding?] 等もよく使われるので一緒に覚えると効果的です。

残りの [もしかして無料で?] は、[無料です] という文を疑問形にすればいいので、
=> Is it free?? (もしかして無料で?)  にします。


ここでは Andy に [mean] の使い方について聞いてみたいと思います。

Bob1:[Do you mean ~?] は [It's mean/It means ~?] とできますか? 2,できないのならどう違うのかを教えてください。

Andy:1,[It] ではなくて [you] が必要です。 2,なぜならボブは、ジョンに向かってジョンが言った事に対して話しているからです。

なるほど。よく考えればわかりそうなものですが、こういった細かい部分こそネイティブの方に聞いて確信を得たいことだと言えます。

 

 

2, [あとここから、どのくらいかかる?]

私の: How long does it take to get to your place from here?
Dave: And how far away is your place from the school
Andy: Also, just how far from here is it?


ここで言っている [どのくらいかかる] は、[どのくらい(の時間が)かかる] という意味ですから、決まった表現の [How long does it take ?] を活用します。

=> How long does it take (どのくらい{時間が}かかるの)

そこに足りていない説明の [ここから(ジョンの家まで)] という部分を付け足します。
接着剤 [to] が持つ [to 動詞  (+補足) =(~するのに/するために)] という表現を使い、[到着するのに ジョンの家へ] を [get to your place] として、
=> How long does it take +to get to your place

最後に [ここから = from here] を足して、
=> How long does it take to get to your place +from here?


この [How long does it take (+ to 動詞 補足)?] は、日常会話で非常に便利に活用できます。お勧めは [どのくらいかかるの/どのくらい必要なの] という2つの日本語と連結させておくことです。そうすることで日本語から記憶を引き出しやすくできます。

ネイティブの2人は [How far ] で、[どのくらいかかる] を表現していますね。これも利便性の高い表現なので [How long ~] とセットにして覚えましょう。

ここでは2人に質問があります。

Bob1:[how far away] の [away] はもし使わなくても同じ意味ですか? 2,[just how far from here is it ?] は、[just how far is it from here ?] でも問題ないですか?

Dave:はい同じ意味です。

Andy:大丈夫です。

簡単な表現でもネイティブ2人の表現に違いがあって参考になりますね。[どのくらいかかる?] は、こちらでも取り上げているのでどうぞ。


私の英語を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [どのくらい時間かかる? ジョンの家まで ここから]
Dave: [それとどのくらいかかる?ここから]
Andy: [それとどのくらいここからかかる?]

3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、

私の: [How long does it take +to get to 場所 +from 場所?]
Dave: [And how far away  動詞  動詞に関連 +from 場所?]   
Andy: [Also, just how far +from 場所  動詞  動詞に関連?]

 

3, [無料は無理だから、月に500ペソくらいでいいよ]

私の: I can't rent you that room for free. I can rent you that room for 500 pesos a month.
Dave: I can’t give you free rent, but I can rent the room to you for 500 pesos
Andy: I really can’t let you stay for free, but I can do 500 pesos a month.


ここで私が最初に考えることは、日本語をどうするかです。きっと [無料では貸せない][月に500ペソで貸せる] という2つに分けて英語にします。

そうすると英文にするのは以下の文と考えられます。
1, (私は)無料では貸せない(その部屋を)
2, (私は)月に500ペソで貸せる(その部屋を)

金銭含む貸し借り  => rent
~を貸す(物/金)     => lend
~を借りる(物/金) => borrow


なので [貸す = rent] に、可能/不可能を表現可能な助動詞 [can/can't] をくっつけて、
=> I can't rent you that room (私は貸せない あなたに その部屋を)

 


そこに [無料で = for free] という英語を付け足して、
=> I can't rent you that room +for free.  とします。

もう1つの文は [無料で貸せない] という部分が [500ペソで貸せる] ですから、
=> I can rent you that room +for 500 pesos

足りていない [月に = a month] をつけて完成です。
=> I can rent you that room for 500 pesos +a month.


助動詞 [can/could] の使い方については、こちらをどうぞ。


基本文とは、

基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤  説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞(正確には動詞に関連するもの)-[目的語/補語] でも可
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。


英語のネイティブ2人の英文を見ると、Dave は動詞 [give] をここで活用しています。[give] の幅広い用途を実感できますね。動詞の [give] 用途の広さについては、こちらも参考にしてください。

www.colombiacolom.net


Andy は [~させる(許可)] の [let] を利用しています。動詞 [let] は使役動詞と呼ばれるもので [許可させる/許す] という意味で使われます。Andy は [I can't let you ~] ですから [私は許可できないよ あなたに ~するのを] という感じです。また Andy が2つ目の英文では、動詞 [do] を使って文を短くしているのも勉強になりますね。

Bob1:[for 500 pesos] の for は日本語でどう考えるのが適切ですか? 2,[I can rent the room to you] は、[I can rent you the room] でも問題ないですよね?

Dave:[500 pesos で貸せる] の [~で] ですね。 他の例なら [I bought a car FOR five thousand dollars.]

Andy:全く問題ありません。


いくらでと期間をセットで頭に入れておくと便利です。

=> 基本文 +for 金額 +a month/a week/etc. (~は~する +いくらで +~期間)-(a は [per] でも可)


Andy が使っている使役動詞については、こちらを読んでください。


4, [あとここからだと車で20分くらいかな]

私の: And it takes 20 minutes by car to get there.
Dave: And it takes 20 minutes by car to get there.  
Andy: And the place is about a 20 minute car ride from here.


時間がどのくらいかかるのかを表現するなら、[It takes 時間 ~][It's 時間 ~] のどちらかでを使って、そこに足りていない説明を付け足していきます。

私は [It takes 時間 ~] が好みなので、
=> And it takes 20 minutes +by car +to get there.

ここでは Andy に質問します。

Bob1:[about a 20 minute] は [about 20 minutes] でも同じ意味ですか? どう使い分けているのですか?

Andy:[20-minute car ride] という名詞です。[20-minute] は一つの言葉になっています。もし [20 minutes] を使ったら [it takes 20 minutes to get there by car from here.] になります。

何があなたの英会話を上達させていくのか?


英会話を上達させるためにお勧めしたいのは、最初のうちは使うものを自分で限定しておくという方法です。最初のうちから多くのものをインプットしても、それらを効果的にアウトプットできるわけではありません。

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覚えるものを限定するということは、記憶を引き出しやすい環境を作るという効果の他に、限定したものの力をより高めていけるメリットがあります

覚えたものが少なければ、話をするときに使えるものは限られてきます。その限られた中で、どう表現していくのかを深く考えていくことで以下のような発想が育ちます。

この場合も、これを使おう。
この場合は、これを使っても平気かも
この場合は、これに少しだけ変化を加えて使おう


限定して覚えるという部分については、こちらも参考にしてください。


大事なのは、幅が狭くても自分が使えるものを確実に増やしていくことです。まずターゲットにするものを絞って、自身の中に軸となるものを形成していきます。最初から表現の幅を求めるのでなく、頼れるものをコツコツ積み上げていきましょう。