英語を話すコツを考える。

日本語の発想を活かす

英語のネイティブと非ネイティブな私の英語を比較してみた1-解説付

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英語に関する記事を本やネットで読んで、[知りたい事と何かが違うんだよな~] と感じた経験はありませんか。
私は英語が話せなかった頃、常に何かしらのモヤモヤを抱えていて、その中の一つが [もっと具体的な英文の作成方法を教えて欲しいんだけど?] というものでした。

ある程度英語が話せる状態になって気がついたのは、英語の上達に日本語の発想は活かせる点です。


詳しくは、こちらを読んでください。


日本語の発想を活用して英語を話す私ですが、そんな私でも英語のネイティブはどう英文を作成しているのかに非常に興味があります。なので英語ネイティブに協力してもらい、彼等の英語と非ネイティブな私の英語を比較することで、どう英文を作成するのか考えます。

  •  非ネイティブの私が英文を作成していく過程を細かく分析
  •  英語のネイティブスピーカーは同じ日本語をどんな英文にするのか
  •  彼等の英文を見て感じた疑問についての質疑応答


という段階を経て、最終的にどうしていくべきか解説していきます。

英文を作成する流れを可視化することで英語の上達を考える


TITLE: [ボブ、今、どこに住んでんだ?] -1

John:  ボブ、今、どこに住んでんだ?
Bob:   俺が住んでんのはABマートの近くの安いホテルだよ。ここから歩いて15分くらいかな~。
John:  えっ、マジかよ! あんな治安の悪い所に住んでんのか!  おい、授業終わってから歩いて帰ったりしてないよな?

コロンビアの英会話スクールに通うボブと、友達、先生による会話。
生徒と先生は友達感覚で話すので formal な言い回しは出てきません。

 

[登場人物]
Bob    ,,, 学校に通う生徒(一番の目的は英会話学習より...友達作り)
John   ,,, ボブのクラスの担当教師で、ボブの友達。
Malda  ,,, 学校の教師でチーフマネージャー(女性)。ジョンの上司。
George ,,, 現職の警察官。とってもチャラくてナンパ好き。

 

 

会話はまだまだ続きます。続きが読みたい方はこちらをどうぞ。

www.colombiacolom.net

英語の非ネイティブな私の英文作成の流れを追います


1, [ボブ、今、どこに住んでんだ?]


この文を英語にする時に、気になる点が二つあります。

一つ目は、日本語の [住んでいる] は素直に [live] でいいのか、それとも [stay] の方がいいのかという点です。ボブは大抵 2, 3カ月に一回はホテルを変えていて、住んでいるより滞在しているという感覚に近く、ここで [live] を使うと少し違和感があるような気がします。

二つ目の疑問は、[住んでいる] を現在進行形でいいのか、または現在形なのかという点です。

日本の学校では [~している] は、現在進行形で表すと習います。でも英語では全ての [~している] を、現在進行形で表現することはできません

日常的に行っていることは、通常、現在形で表します。

例  I   study   English. (私は 勉強している 英語を)
例  I   go   to   school. (私は 通っている  学校に)


そう考えるとここでの [住んでいる] は、どちらを使えばいいのかと言うことです。

考えられるのは、以下の四点です。
1, Where   do   you   stay ??
2, Where   are   you   staying ??
3, Where   do   you   live ??
4, Where   are   you   living ??


日本語 [住んでいる] の可動域と、英語 [live] の可動域が近いと便利なので [live] にして、また日常的に行っていることは現在形かなと思うので、

私ならたぶん、
=> Where   do   you   live ?? を使うと思います。


英語の現在形、現在進行形については、こちらの記事も参考にしてください。

 

2, [俺が住んでんのはABマートの近くの安いホテルだよ]


前の文で [住んでいる] という動詞を [live] にしたので、ここでも同じように [live] を利用することにします。俺が住んでいる  =>  [I  live] と、ここまではなんてことありません。
 
続きの [ABマート近くの安いホテルだよ] の部分を、どう英語にしていくのかですが、ここで基本文を活用します。


基本文:主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明  ~) 


基本文を簡単に説明すると、

基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤  説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

www.colombiacolom.net


[俺が住んでいる] までで [主語 動詞] という流れは完成しているので、後は [目的語/補語] を付け足す必要があります。

じゃあ何が [目的語/補語] になるのかと言うと、英語の [主語 動詞] までを日本語で考えた時に足りないと感じるものが [目的語/補語] に該当します。(単純に動詞に関連するものと考えるのも有です)


=> I   live   〇〇
俺が 住んでいる 〇〇  =>  ここで足りないのは、[どこに] という部分です。
 
なので、I  live  の後には [ホテル] が来ます。
=> I   live   at   a   hotel


[at] [in] の使い分けを簡単に説明すると、
at  場所  =  点としての位置を表す
in  場所  =  広い地域の内側を表すので、ここでは [at] 。
 
そしてここでボブが住んでいるホテルは [安いホテル] なので、英文の中に [安い] をはめ込むと、
=> I   live   at   a   cheap   hotel. となります。

このように英語ではまず基本文という土台を、最初に形成していくと考えましょう。(この文は [目的語/補語] が形容詞で補足された文)
 
これで基本文の核を作成できましたが、この文はこれだけだと説明を完全に果たせていないので、この文に足りていない説明 [ABマートの近くだよ] を付け足します。

=> I   live   at   a   cheap   hotel    near   ABmart

[near  場所] で [~の近くの] という意味を付け足せます。[主語 動詞 目的語/補語] という基本文の核をまず完成させ、足りない説明を接着剤 (near)で付け足していく流れです。

=> I live at   a   cheap   hotel near   ABmart.
主語   動詞   目的語/補語   +  接着剤 説明


最初に日本語を考えた時に、その日本語を英語の基本文の流れで考えられるようになると、より英文作成が楽になります。


俺が住んでんのは、ABマートの近くの安いホテルだよ。

=> [俺が住んでんのは安いホテルだよ、ABマートの近くのさ~。]

そういうクセを付けていくことが英会話上達には大事だと思います。

 


3, [ここから歩いて15分くらいかな~]


この日本語を見て私が最初に行うのは、このままの日本語だと英語に変換しにくいので、日本語の配列を英語の配列に変換する作業です。(これは頭の中で行われます)

ここから歩いて15分くらいかな~。
=> [15分くらいかかるかな~、ここから歩いて] と頭の中で変換。
 
大事なのはいかに単純に英文を作成できるようにするかです。そういう発想を常に持っておけば、英語の配列(基本文の流れ)で日本語を考えるクセがついてくるはずです。そうすると最初に英語にするのは [15分くらいかかるかな~] という部分になります。

 

この [~分くらいかかる] は、[It  takes  ~分  ~] で表現することができます。

 

この形は時間に関して話すときに非常に便利に使えます。~分という部分を変更すれば、~時間、~日、~週間、~か月などの表現を簡単に行えます。


さらにその後に [~するのに] という説明を [to  動詞] でできます。

=> It   takes   ~日  +  to   動詞   ~  (かかる ~日 ~するのに) 
 
とすればここで英語にする文は、
=> It   takes   15 minutes   to   walk   とすればいいということになります。
  かかる 15分 歩くと(歩くのに)
 
でもこれだけだとまだ文が完成していません。理由はこのままだと、どこから15分くらいかかるのかがわからないからです。

なので [ここから] という部分を最後に付け足します。
=> It   takes   15 minutes   to   walk   +  from   here.

または [どこどこから  =>  from  場所] なので、[from  this  school] でもいいと思います。


説明を補足する接着剤効果のあるものについては、こちらを参考にしてください。


日本語の感覚で言うとここからという日本語がなくても、文脈から [どこからなのか] を理解することは可能です。

 

英語は基本そういった部分をはっきりさせる言語と考えてください。

 

会話では省略される場合もありますが、英語の方が日本語よりそういった部分を明確にする場合が多いです。日本語と英語の違いをすり合わせてください。
 
そしてできればここで、[It  takes  ~] という形をインプットするのに少し工夫をしておきます。

どんな工夫かと言うと [~分 必要です] という日本語の時も、この形を使うと頭に入れておくのです。どのくらい [かかる] という日本語と、どのくらい [必要である] という日本語は基本的に同じ意味なので、その二つの日本語の内のどちらかを頭に浮かべた時に、[It  takes  ~時間 (~するのに)] という形を利用すると覚えておくと便利です。
 
~くらい(の時間/期間が) かかる  =>  It  takes  ~時間/期間 ~
~くらい(の時間/期間が) 必要   =>  It  takes  ~時間/期間 ~


さらに疑問文での使い方も一緒に頭に入れておくと効果的です。[どのくらいかかりますか ??/(時間が)必要ですか ??] という表現は、日本語で頻繁に利用されるものですが、それは英語でも変わりません。
 
どのくらいかかりますか/(時間が)必要ですか ?? 
=> How   long   does   it   take?
 
もちろんこの疑問文に、[~するのに(どのくらいかかる/必要)] という意味を付け足すことも可能です。

=> How   long   does   it   take   +  to   get   +  to   the   station? (どのくらいかかりますか 着くのに その駅へ)

=> How   long   does   it   take   +  to  動詞  +  接着剤  説明 (どのくらいかかりますか ~するのに  +α)

決まった疑問文の型に、[to  動詞] と [接着剤  説明] で [~するには ~] という説明を付け足していけます。こうやって関連付けをして覚えていくことで記憶を引き出しやすくしましょう。

英語のネイティブ・スピーカーなら、どんな英文を作成するのか?


英語のネイティブならどんな英文を作成するのでしょう。私と同じ日本語を英文にしてもらいました。(協力者は、Dave と Andy です)


1, [ボブ、今、どこに住んでんだ?]

Dave: Where   are   you   staying   now ??
Andy: Where   you   live,   man ??


ふ~む。Dave は [live] じゃなくて [stay] ですか~。しかも現在形ではなく現在進行形を利用してますね~。Andy は [you] の前の [do] を省略していますがどうなんでしょう?

Bob: なぜここでは [live] ではなく [stay] なのですか? 日常行っている行為を表すのは現在形なのではないのですか?

Dave: どちらでも構わないと思います。[live] の方が滞在期間が長いと感じます。日常行っている行為に現在形を利用するのは確かにそうなのですが、全てがそうではない気がします。[Where  do  you  live?] は使いますが、[Where  do  you  stay?] は私は使わない気がします。(理由はわかりません)

Bob: [do] が省略されていますが日常の会話ではよくあることですか?現在形と現在進行形をどう使い分けていますか?

Andy: 実際 [do] をよく省くわけではなくて、casual な会話では人によって省略する場合があります。[どこに住んでんだ?] をどう訳そうかと考えたら [Where  you  live,  man?] が一番近いかなと思いました。[live] [stay]にあまり意味の違いはないので感覚でどちらにするかという感じです。どちらかというと [live]の方が滞在期間が長いように感じます。

崩した形を覚えるのは、基本を身につけてからの方がいいので [do] を省略しない形で覚えておきましょう。その方が英語上達へつながります。英語のネイティブの英語に引っ張られすぎない方が無難です。

そうすると、
=> Where   do   you   live ??
=> Where   are   you   staying ?? のどちらかを使えればいい感じですね。

 


2, [俺が住んでんのはABマートの近くの安いホテルだよ。]

Dave: I'm   staying   at   a   cheap   hotel   near   AB mart.
Andy: Oh,  I’m   staying   at   a   cheap   hotel   near   the   AB Mart.


Andy は最初は [live] で、ここでは、[stay] ですね。上で言っているように、この二つの使い分けはそんなに気にしなくていいようです。

Dave は、[the] は無しなのに対して、Andy は、AB Mart の前に [the] を付けていますね~。

Bob: [near  ABmart] の部分で [the] は必要ですか?

Dave: う~ん、結構迷ったのですが、たぶんあってもなくてもどちらでも問題ないと思います。

Andy: [the] を使うと特定した場所になります。私はこの場合 [the] を使いますね。[AB mart] が一つしかないと考えたからかもしれません。

[the] を使うにはこちらが [the] の対象となるものをわかっていても、相手がそれをわからなければ利用することができない等、様々な条件があります。英語のネイティブでも迷うように、[the] を使う、使わないということを完全に身につけるのは非常に難しいと言えます。(時期は未定ですが、[the] は、[a] と一緒に説明したいと思っています)

 

 

 


3, [ここから歩いて15分くらいかな~]

Dave: I   think   it's   15 minutes   away   by   walking.
Andy: I   guess   its   about   a   15-minutes   walk   from   here.


ネイティブの二人は、[It  takes  ~] ではなくて、[It's  ~] ですね。[It  takes  ~] では駄目なのでしょうか?

Bob: [It  takes ~] ではなく [It's  ~] を利用するのはなぜですか? ここで [It  takes  ~] を使うのはおかしいですか?

Dave: [It's  ~] の方が簡単だからです。深い意味はありません。[It  takes  ~] でも全く問題ありません。

Andy: [It's  ~] の方が言いやすくて便利だからです。[It  takes  ~] も普通によく使います。


Andy にもう二つ質問しましょう。

Bob: [15-minutes  walk] はひとつの塊で名詞ということですか? [think] と [guess] をどういう感覚で使い分けているのですか?

 Andy: [15-minutes  walk] はひと塊で名詞です。[15-minutes  run] 等にして応用することが可能です。[think] [guess] の使い分けはイントネーションと場合にもよりますが、だいたい [think] の方が [guess] より強い感じですね。

この [It's  ~] と、[It  takes  ~] の素晴らしさは、その段階で、既に [主語 動詞] までが完成しているので、後は [目的語/補語(ここでは時間)] を当てはめるだけで一応英文を完成させられるところにあります。二つを連動させて頭に入れておきましょう。

[〇-minutes  ~] という表現は有効利用できる便利な表現です。そういった会話で便利に使える英単語はどんどん覚えていきましょう。[think/guess] は日常の会話においては特に難しく考える必要はないようです。

どうすれば英語が上達していくのか?


あなたはネイティブ・スピーカーの英語と、質問への回答を見てどんなことを感じましたか?


私が感じたのは、日本語と同じように英語においても、人それぞれ場面場面で好みの表現に違いがあるという点です。


上の英文を見ても英語のネイティブ同士で違いがあるのは明白です。英語の本などを読んだりすると、[これは、こう] とよく書いてあります。ひどい本はこれじゃなきゃ駄目みたいな事が書かれています。


でも決してそんなことはありません。

 

 

英会話において英文のルールさえ厳守していれば、こういう表現でなきゃ駄目だということはほとんどありません。(英文のルール:基本文の配列、拡張の仕方、接着剤の使い方等)


最初は基本文の配列を守ることから始めましょう。

配列順は英語の絶対的なルールなので、それがあなたの英会話上達に必要な最初のルールとなります。ほとんどの英文は紐解いてみれば [基本文] で形成されています。


例えば Andy のこの英文は、基本文の前に [~は思う] という [I  guess] がくっついた文です。
=> I   guess   its   about   a   15-minutes   walk   from   here.
---  I   guess  +  主語 動詞 目的語/補語  +  接着剤 説明

 

初めのうちは、英単語やルールも含めて大量のインプットが必要なので、そのために人の英語をマネてみるということは非常に有効な手段です。なので最初はまず誰かの英語を真似て多くの事を吸収しましょう

当然マネて終わりにするのではなく、なぜそうなっているのかを考え理解し自分なりの引き出しを増やしていきます。そして最終的に自分ならこうするなという視点を身につけるのが目標です。