英語を話すコツを考える。

日本語の発想を活かす

アドバイスを英語で行うには、どれがスムーズなのか?

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普段の生活の中には、ちょっとしたアドバイスや真剣な忠告を、友達、知り合い、同僚、部下、恋人、親族等へする場面があると思います。助言や忠告はこちらが相手の立場や状況、その時の心理面を完全に把握することは不可能なので、それがちょっとしたアドバイスであれ、それ相応の気を使う必要があります

それは英語でも同じで、相手に対してある程度、気を使いながらアドバイスを行います。今回はそんなアドバイスや忠告を英語の助動詞でどう表現し、どう使えるものにしていくのかをお伝えします。 

アドバイス(助言/忠告)を英語で表現するには?


助言、忠告(アドバイス)を英語で行う場合、

1,  You   should   go   there.  
2,  You   had   better   go   there.
3,  I   must   go   there.
4,  I   have   to   go   there.

(他にも [ought to] 等もありますが、あまり必要性を感じないので省略)

 

 

これらは全て基本文の中の動詞が拡張した文で、動詞の左側に補足要素が加わっています。

(拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、表現できる幅を広げていくことを意味しています)

1, 主語 [should  +  動詞の原形]   目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
2, 主語 [had  better  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
3, 主語 [must  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
4, 主語 [have  to +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)


動詞の拡張については、こちらで詳しく説明しているのでどうぞ。

www.colombiacolom.net


基本文を簡単に説明しておくと、

基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤  説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

アドバイス(助言/忠告)。英語での実際のニュアンスとは?

 

皆さんは学校で、[should] と、[had  better] の意味をどう教わりましたか?

私は [should  =  ~すべき/~はず] で、[had  better  =  ~したほうがいい] と英語の授業で習いました。

でも英語の勉強を続けていると、それだと何かが違っているということに気がつきます。それらの実際のニュアンスを理解することで、助言、忠告の表現の仕方が見えてきます。

 

1, [should]

助動詞 [should] は、大抵 [~すべき/~はず] という意味で教わります。確かにそういった意味も含んでいるのですが、基本は [~したほうがいいよ] と、もっとソフトな意味で頭に入れておくのがいいと思います。


[should] は、主に軽くアドバイスする時に利用されます。

=> You   should   go   there.  (あなたは行った方がいいよ そこに)


[~すべき] という日本語で頭に入れていると、軽いアドバイスをしたい時に対応しにくくなるので、[~したほうがいいよ] という日本語と [should] をリンクさせておきましょう。

もちろん軽くアドバイスする時だけでなく、真剣なアドバイスをする時も、この助動詞[should] で表現可能です。やり方は至って簡単でシリアスな気持ちを込めて [should] (または強調したい部分)を強く発音するだけです。

=> You   should   go   there.  (あなたは行った方がいいよ! そこに { = そこに行くべきだよ!} )


[~したほうがいい] を [should] で表現するのなら、[had  better] はどうなるのでしょう??

 

 

 

2, [had  better]

助動詞相当の [had  better] は [~した方がいい] という意味で教わりますが、実際の意味は [したほうがいいよ (そうしないと.../さもないと...)] です。

=> You   had   better   go   there.  (行ったほうがいいよ そこに {そうしないとヤバイよ} )
(= You'd  better  go  there.)

=> You'd   better   not   go   there .  (行かないほうがいいよ  そこに{でないとまずいよ} )


この表現は、そうしないとヤバいよというニュアンスを含んでいるので、相手にプレッシャーを与えたい時に使うものです。

否定文では [better] のすぐ後に [not] を置きます

私はそんな意味が含まれているなんて全く知らなかったので、旅の最中、軽くアドバイスするつもりで、知り合いに [had  better] を何度も使ってしまいました。今思うと凄く失敗したな~と思います。こういった間違いは実際の英語のニュアンスを知ってさえいれば簡単に防げます。


3,4, [must] [have  to]

この二つの意味は [~しなければならない] で、ほぼ同じ意味で使えます。

細かくみれば少しだけニュアンスに違いがあります。

[must]  =>  個人的にしなければと思うとき
[have to]  =>  外からの圧力で仕方なくしなければと思うとき ([have   to] の発音は [ハフトゥ] です)

個人的な理由で、
=> I   must   go   there.  (私は行かなければならない そこに)

重要な打ち合わせがあるので、
=> I   have   to   go   there.  (私は行かなければならない そこに)

ただこれは英語での会話の中で、そんなに意識して使い分ける必要はないです
英語ネイティブの人達もそんなに意識して使っていないようですし。

 


ただ否定文を使う場合は少し注意が必要です。この二つは否定文だと全く違う意味になります。

[must  not]  =>  ~してはいけない(禁止)
[don't  have  to]  =>  ~する必要はない/~しなくてもいい

=> You   must   not   go   there.  (あなたは行ってはいけない そこに)
=> You   don't   have   to   go   there.  (あなたは行く必要はない/行かなくていい そこに)
 

気をつけてほしいのは [must  not] のほうです。

[don't  have  to] は、[~しなければならない] という意味を否定形にした [~する必要はない] なのに対して、[must  not] は [~してはいけない(禁止)] という違った意味になります。

 
[have  to] には、同じ意味の違った言い回しで、[have  got  to (= 've  gotta)] があります。
=> I've   gotta   go   there.
  (アイブ ガラ)   

この言い方は映画などで頻繁に使われる日常的な口語表現です。

最初は [have  to] を使いこなせるようになることが先決なので、この表現はリスニングのためにインプットしておきましょう。

動詞で同じような表現ができるもの


動詞の中に [have  to] と似た感覚で使える便利なものがあります。

それは [need  =  する必要がある] という動詞です。
              
全く同じ意味ではありませんが、使うときの感覚はかなり近いものがあります。
=> You   need   to   go   there.  (あなたは行く必要がある そこに)
=> You   don't   need   to   go   there.  (あなたは行く必要はない そこに)


二つの意味は全く同じというわけではありませんが、かなり似ているので多くの場面で [have  to] の代わりに使えます。そうやって何かと何かのつながりを意識して英語学習すると効果的です。

アドバイスを英語で効果的に行うには?


頭に入れた助言/忠告(アドバイス)の表現の中で、利用するものをこちらで限定します。


助言、忠告をしたい時は、[should] を軸とします

そして強い忠告をする必要があると考えた場合のみ [have  to] を利用します。([have  to] を自分に対して使う場合は、使う場面を気にせず使いましょう)


なので最初のうちは、[had  better] [must] は利用しないことにします。


もし使い分けるのが面倒(または難しい)なら、最初のうちは [should] だけ使いましょう。それで大抵何とかなります。英語を話すためにはそのくらいの割り切りが必要です。


軽く助言したつもりが、知らないうちに相手にプレッシャーをかけて、変な軋轢が生じてしまうのは非常に馬鹿らしいことです。

そもそも大半の人間は、たまにならいいかもしれませんが、頻繁に忠告されたらいい気はしないはずです。[should] を軸にしておくことで、相手にプレッシャーを強くかける心配を軽減できます。

 

 

忠告をする場合に、[must] ではなく [have  to] を使う理由は二つあります。

まず [have  to] は、[had  to] とすることで過去の話しに対応できる点。

=> I   had   to   go   there.  (私は行かなければならなかった そこに)


残念ながら [must] は、[~しなければならなかった] という表現に対応できません

二点目は、[must] が [~に違いない] という意味でも利用できるからです。

[must] は基本そちらの意味で利用することで頭の中での混乱を避けたいのです。([must] の [~に違いない] については別の機会に説明予定です)

 

なので最初のうちは、[should] を軸にして、たまに [have  to] を使うことで助言、忠告に対応します。


そしてそれらを使いこなせるようになったら、[must  not] の [~してはならない(禁止)] を付け加えればいいと思います。そういった割り切りを英語上達のために利用しましょう。

 

使うものを限定する方法は、未来/将来や頻度に関する記事でもお話しました。

www.colombiacolom.net


英会話上達には、英単語や表現のインプット作業を排除することは絶対にできませんが、インプットの仕方に工夫をもうけることは十分に可能です。英語を話すことは、覚えたものをどうアウトプットするかとイコールなはずです。そのためにアウトプットしやすい工夫をインプット時に心掛けましょう。