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日本語の発想を活かす

英語の助動詞で、確信の度合いをコントロールしよう

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皆さんは 、-「それはこうなる/あれはこうだ」等々、断言ばかりしている人と会話をするとどんなことを感じますか。断言ばかりで会話をする人に何かしらの違和感を感じるのは、日本語に限らず英語においても同じことが言えます。

そういう事態を避けるためには、自身の確信の度合いの差を相手に伝える必要があります。今回はその確信の度合いを、英語の助動詞でどうやって表現し活用していくのかについてお話します。

英語の助動詞で確信の度合いを表現するには


世の中、確信して言えることより、むしろ確信して言えないことのほうが多いのではないでしょうか。その差をある程度、明確化して相手に伝えることで、会話を円滑にしていけます。英語には動詞の表現を助ける助動詞(動詞を拡張させるもの)があります。

その助動詞には推量という使い方があって、それは断定できないことについて話すときに利用するものです。その時どの助動詞を使うかによって、あなたの確信の度合いがどのくらいなのかを相手に伝えることができます。

 

 

[確信の度合いを英語で表現するには]

1, He   will   be   there.   (彼はいるでしょう そこに)
2, He   would   be   there.   (彼はいるんじゃない そこに)
3, He   may   be   there.   (彼はいるかもしれない そこに)
4, He   might   be   there.   (彼はいるかもしれない そこに)
5, He   must   be   there.   (彼はいるに違いない そこに)

(ここでの [would] [might] は過去形の意味はありません)

 

  • will     --  85~90% くらいの確信度
  • would -- 65~70% くらいの確信度
  • may    -- 50% くらいの確信度
  • might -- 35~45% くらいの確信度
  • must   -- 95% くらいの確信度


(何%という数字はあくまで目安です)

 

これらは、全て基本文の中の動詞が拡張した文で、動詞の左側に補足要素が加わっています。

1, 主語 [will  +  動詞の原形]   目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
2, 主語 [would  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
3, 主語 [may  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
4, 主語 [might  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)
5, 主語 [must  +  動詞の原形] 目的語/補語 ~ (+接着剤 説明)

 


1~5 の助動詞を簡単に説明すると、

1 の [will] は [(おそらく)~でしょう] とかなり高い確信を持っていることを表現する。


2 の [would] は [will] より確信度が下がって、[~なんじゃない] とだいたい60%以上80%未満くらいの確信を持っている場合に利用します。


3, 4 の [may] [might] は [~かもしれない] という意味で使われます。文法の本によっては、[may] [might] の [~かもしれない] にはほとんど違いはないと書いてあるものもあります。あまりその二つの差を気にすることはないのかもしれませんが、通常、助動詞は過去形にすると意味が弱まるはずなので、[might] は [may] より確信の度合いが低い35~45%くらいと考えればいいと思います。


5 の [must] は [~に違いない] と、あることについてかなり確証に近いものを持っている場合に利用します。


[will] が何%で、[would] が何%なんて書いてないものも沢山あります。数字を入れたのは何%という指標がある方がインプットしやすいと考えているからです。これらの助動詞は、事実や実際にそれがおこる確率がどのくらいあると述べているわけではありません。あなたがそれについてどのくらいの確信の度合いを持っているのかを表現するためのものです。

 

基本文を簡単に説明しておくと、

基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤  説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

助動詞による確信の度合いをどうやって使えるものに?


私が重要視してきたのは、どうくくるかという点です。


このどうくくるかというのは、自分の記憶が引き出しやすいように どう小さくくくってインプットするのかという事です。


英語を身につけていく過程でインプット作業の工程を省くことは絶対にできません。でもそれがインプットのためのインプットでしかないのなら何の意味もありません。重要なのはアウトプットするために、どうインプットしていくのかです。それには自分が記憶を引き出しやすいように、都合の良いように少し小さいくくりにして頭に入れるのです。これは自身の英会話を上達させるための一つの技術と言えます。
                     


私は確信の度合いを、助動詞 will > would > might の三つでくくり、それを基本形態としています。


[may] は [might] でほぼ同じ代用できますし、[~してもよい (許可)] という意味でも利用できるので、基本そちらで使うことにします。(この使い方はそのうち説明します)

また [must] の [~に違いない] は、思い出した時に上手くタイミングが合えば利用することとします。[must] を上の三つの中に組み込まない理由は、[must] が将来の推測に用いることができないからです。

 


他の四つは、
1, He   will   be   there   tomorrow.  (彼はいるでしょう そこに  明日)
2, He   would   be   there   tomorrow.  (彼はいるんじゃない そこに 明日)
3, He   may   be   there   tomorrow.  (彼はいるかもしれない そこに 明日)
4, He   might   be   there   tomorrow.  (彼はいるかもしれない そこに  明日)

という形で、今現在のことへの推量・予測だけでなく未来のことへの推量・予測をすることが可能なのですが、[must] は現在のことについてしか表現できません。


なのでかなり高い確率でこうなるのではと将来の事を推測する場合は、[must] ではなく [will] を使います。[must] の利用頻度を低くし、[may] はこの意味では使わないと決めることで使う条件を狭め、他の三つを使いたいと思った時に素早く記憶から引き出しやすくするのです。

 

 

そしてその基本形態に、[I  think] を加えることで表現を和らげます

自分以外の人(他者)が行うであろう行為に対して、特に [will] を頻繁に使用していると、なんで自分の事じゃないのにそんなに断言してるんだと思われる可能性があるので、[I  think ~ (私は 思うよ)] を活用して表現を柔らかくします。

基本文の頭に、[I  think] をつけるだけです。

=> I   think  +  基本文 .
=> I   think  +  he   will   be   there.  (私は思うよ 彼がいると そこに)


発想としては、確信の度合いについて表現したい時に [will > would > might] という図式が頭の中にパッと思い浮かぶようにしたいということです。


会話の中で確信の度合 [will, would,might] 等をどう使うかは、こちらも参考にしてください。

www.colombiacolom.net


助動詞を使えるものにするためには、必ず動詞もセットでインプットしていきましょう。助動詞はその字のごとく動詞を助けるものです。

www.colombiacolom.net

助動詞での確信の度合いに付け加えたい要素は?


皆さんは一日のうちで、たぶんという言葉を使わない日ってありますか?


このたぶんという言葉は、日本語に限らず英語でも効果的に利用できます。

確信の度合いを表現する時に、このたぶんを組み合わせてることで、そうだと思うけど確かではないというニュアンスを付け加えることができます。

 


英語で [たぶん] は [probably] と [maybe] を使います。(他にもあるのですが、取りあえず今回の助動詞との組み合わせはこの二つを利用します)


[maybe] は [It  may  be  that] を省略したものなので、[may] を利用した場合と [maybe] はほとんど同じ意味で使われます。

つまり、It   may   be   true. ( =  Maybe   it's   true .) ということです。

それなら使い方の違いは何でしょう?

大きな違いは、[maybe] は [will] と一緒に活用できたり、助動詞を用いない現在形の基本文とも一緒に使える点です。なので [maybe] を使う方が利点が多い。

--- He   will   come   here.  (彼は来るでしょう ここに)
=> Maybe   he   will   come   here.  (たぶん 彼は来るでしょう ここに)

--- He  is  wrong .(彼は 間違っている)
=> Maybe   he   is   wrong.  (たぶん 彼は 間違っている)

[maybe] と、[may/might] は基本一緒に使いません。


それよりも確率が高いと思う場合は、[maybe] ではなく [probably] を使います。[probably] を使うと、あなたがかなり高い確率でそう思っているということを伝えられます。

=> Probably   she   will   come   here.  (たぶん{8割がた} 来るだろう ここに)

(= She  will  probably  come  here.)

[maybe/probably] の位置は文の頭か、動詞の前後のどちらでも問題ないのですが、最初のうちは文の頭で利用することをお勧めします

文の頭で使うことで日本語のたぶんと同じ感覚で使える利便性を有効活用しましょう。

 

 

 

では確率が低いと思っていることについて言う場合はどうすればいいのでしょう?


それには今までに勉強してきた [will] を使います。

~する確率が低いということは、~しない確率が高いということなので、[~しないだろう] と言えば、~する確率が低いということを伝えられます。
 
~する確率が低いと思うなら、
=> He   won't   come   here.  (彼は 来ないだろう ここに)  と表現しましょう。

基本的に [probably] は、否定文と一緒に使いません


ちなみに [maybe] と [probably] は、受け答えのときにも便利に使えます。

例えば、彼女はくるかな?と聞かれて、その返答に、
=> Maybe.  (たぶんね)
=> Maybe  not.  (たぶん来ないよ)
 
かなり高い確率で、彼女が来る/来ないと思うのなら、
=> Probably.  (たぶんね-8割方)
=> Probably  not.  (たぶん来ないよ-8割方)

ついでに、誰々が~するのかどうか、わからないときは、
=> I  don't  know.  (知らないよ/さぁ、わかんないなぁ)を活用しましょう。


会話を円滑にする要素は日本語でも英語でもあまり変わりません。助動詞の [will > would > might, (+ must)] を自分の軸として設定し、そこに [I  think]、[Maybe][Probably] を絡めることで、確信の度合いを自分の中で上手く調整できるようにしていきましょう。