英語のネイティブスピーカーや、第二言語なのに母国語のようにスラスラと話す人達の英語を耳にして、彼等は、どういった法則に基づいて英語を話しているのかと疑問に思ったことはありませんか?
英語を話したいと思っていてもなかなか英語が上達せずもがいていた私は、諦めず勉強を続けることである程度英語を話せるようになりました。その過程で英語の仕組みを理解したのですが、その仕組みを自分なりに単純化することで、それを自身が英語を話すための軸としてきたと言えます。
軸としたのは、英語の基本文です。
英語の基本文とは、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
(その中の [主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は、この 1 [主語]、2 [動詞]、3 [動詞に関連]、4 [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みが、状況に応じて、個々に拡張したり複数が拡張したりすることで文が長くなります。(正確に言うと、4 の [接着剤 説明] は拡張ではなく利用)
ここでいう拡張とは説明を補足するために文が長くなる事と考えてください。
日本語と英語の言語間にある差に対応する手段として、英語の基本文という考えが生まれました。それについてはこちらも読んでください。
英語の基本文を理解すると、英文の仕組みが見えてくる
英文を構成する四つの枠組みをもう少し細かく説明すると、
- [主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
- [動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
- [動詞に関連] ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it
- [接着剤 説明] ,,,, 前置詞/接続詞/関係代名詞 など
- (副詞、一部の日時は接着剤なしで説明を補足できるものもあります)
- ([動詞に関連] がわかりにくかったら [目的語/補語] と考えてください)
三つの枠組みの拡張と接着剤の利用を例文で見ると、
1, This book is interesting. (この本は面白い)
2, He respect Bob. (彼はボブを尊敬している)
3, Bob had a car. (ボブは車を一台持っていた)
4, Bob came here. (ボブはここに来た)
[主語] が拡張した英文 => This book (that) he gave me yesterday is interesting.
[動詞] が拡張した英文 => He should respect Bob.
[動詞に関連] が拡張した英文 => Bob had his car repaired. (ここでの have の意味は [~してもらう])
[接着剤 説明] を利用した英文 => Bob came here with Ken.
2 は、助動詞によって [動詞] が拡張。
3 は、動詞によって [動詞に関連] が二つに拡張。
4 は、[接着剤 説明(ここでは前置詞 + 名詞)] によって拡張。
(3 はそうできる動詞とできないものがあります)
英語は枠組みの拡張と利用によって足りない説明を補っていくのですが、そういった装飾をはぎとってみると、ほとんどの英文は [主語 動詞 動詞に関連] で形成されています。なのでそれを作成することが英語を話す最初のステップとなります。
どうやって英語の基本文を作成していくのか?
英文を作成していく時の絶対的なルールは、配列順を厳守するなので、左側から順に配置していきます。
その流れを実際に英文を作成する場合の注意点とともに見ていくことにします。
基本文は [主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)] なので、最初に配置するのは、当然 [主語] ということになります。
英語において最初に配置される [主語] の注意点は、主語を省略しないということです。英語も日本語と同じで文の最初に主語がきます。
ただそこには大きな違いがあって、日本語では主語は頻繁に省略されますが、英語では主語は基本的に省略されないという点です。省略しないということがそんなに重要なことなの?と思うかもしれませんが、これは英語という言語においてとても重要なことです。
なぜなら、英語は主語を省略してしまうと誰について話しているのかがわからない言語だからです。
日本語で主語を省略できるのは、省略された部分を文脈から推測するという要素を日本語が持っているからです。それに対して英語では、主語が省略された場合、省略された部分を文脈から推測することは基本できません。(正確に言えば推測は可能だが明確にできない) 通常そういった事が想定されていないということです。
そのため英語では主語を利用することで、誰について話しているのかを明確にする必要があります。
まず [誰々は/誰々が (または何々は/が)] を英文の最初に配置するということです。
日本語との違いを例文で比べてみましょう。
例えば [昨日、渋谷に行ったんだ] という日本語を、主語を省略し [Went to Shibuya yesterday.] という英語にして相手に伝えた場合、
それを聞いた相手は高い確率で、-「誰が行ったの?(誰が/あなたが?) Who went to Shibuya ?? (または単純に Who/You?)] と聞き返してくるはずです。
英語で主語を省略してしまうと、その文が [誰について話しているのか] を明確にすることはできません。なので英語では主語 (ここでは [ I ]) を省略せず、[I went to Shibuya yesterday.] とする必要があります。
このように英語では日本語と違って主語を明示する必要があるので、文の最初に [主語] を持ってくるクセをつけることが肝心です。
そのクセをつけるのに有効なのが、人を主語にすると決めておくことです。
- 基本的に英語の主語になるのは、
- [I, You, He, She, We, They, It, 名詞 (代名詞含む)] のどれかです。
勿論 [It] は [それは] なので人ではありませんし、[They] は [それらは] と人ではない場合もあるので、取り敢えず [I, You, He, She, We, They, 人の名前 ] を主語にすることを中心に考え、そこに [It, They (それ, それら)] と [名詞単体] で補足していきます。
そうやって主語をなるべく [人にする] と決めておくと、主語を省略しなくなります。そしてさらに、もう二つメリットを得ることができます。
それは頻繁に省略される日本語の主語を可視化できるという点です。
日本語では [昼寝が好きです] [昨日は疲れた] のような文は普通です。表面上 [昼寝が] や [昨日は] は主語に見えますが、それは正確には主語ではなく、[(私は) 昼寝が好きです]、[(私は) 昨日疲れた] とどちらも [私] が主語となります。日本語ではそういった場合が沢山あるので、英文の作成過程で間違えが起こらないように、なるべく人を主語にするのが良いということです。
そう考えて英文を作成できれば、
=> I was tired yesterday. (私は疲れた 昨日)
[人を主語にする] と決めておくことで隠れていた日本語の主語が顕在化でき、英語で利用する場合の正確な主語がどれなのかが自分の中で明確になっていきます。
そしてもう一つ、[主語] が [I, You, He, She, We, They, It, 人の名前, 名詞単体] のどれかの場合、主語は拡張することができません。なのでその部分についてあれこれ考える必要がないというメリットもあります。(主語が拡張する場合は必ず [名詞 + α] が条件です)
主語を最初に配置したら、その次は?
英語では主語の次に必ず [動詞] がきます。これは英語の絶対的なルールです。
日本語では通常、動詞は文の最後に配置されるものですが、日常会話においては様々な位置に配置可能です。それに対して英語では、動詞は必ず主語の後に配置されます。これは英語が日本語と違って最初に何が起きた(何があった)かを説明する言語ということです。日本語で考えると、まず [誰々/何々は(が) ~する(した)] を先に明示するということです。
難しく考える必要はありません。言語が違うわけですから、そういうものだと割り切って考えましょう。(そういった割り切りは英語を話すためには欠かせません)
最初のうちは主語を [I, You, He, She, We, They, It, 人の名前, 名詞単体] のどれかと決めておけば、それらは拡張できないので、そのすぐ後に、動詞を配置すればいいだけです。
[名詞] は拡張可能なのですが、最初は名詞単体を使うことで拡張を脇に置き、[主語 動詞] という流れを身につけましょう。
主語、動詞の次に来るものも、英語を話すのに重要?
動詞の次は [動詞に関連するもの (目的語/補語)] が配置されます。(省略して [動詞に関連])
英語が話せない時にやってしまいがちなミスの一つに、動詞までで文を終わらせてしまうというのがあります。
英語では多くの場合、動詞までではなく、動詞の次の動詞に関連 (目的語/補語) までで文が一区切りされます。
なので大抵、動詞までで文を切ってしまうと意味が伝わらなくなってしまいます。
話しの流れで、文脈から [動詞に関連 (目的語/補語)] の意味を察すことができる場合、日本語は主語と時と同じように [動詞に関連] の部分を頻繁に省略します。例えば日本語の会話の中で、ある有名なハンバーガーの話をした後に「俺、食べたよ。」と言えば、[そのハンバーガーを] 食べたんだということを相手は理解するはずです。
英語では「俺、食べたよ。 => I ate .] と動詞までで文を終了させてしまうと、それを聞いた相手は通常「んん、何を (食べたの)?」となります。
ここで言うなら、日本語で省略されている [それを] という部分を省略せずに [I ate it .] とする必要があるということです。面倒ですが英語はそういった構成で文を形成しています。
忘れずに、日本語の [~を (に)] に該当する部分を配置しましょう。
そこまで配置することができれば、英語の基本文の核は完成します。それが英文を作成する基本作業と考えてください。英語を話す = 最低一つは基本文の核を完成させると頭に入れておくのも有りです。
一般的に動詞の後に来るものは、目的語/補語と呼ばれています。
ただ私はその呼称は使わずに、それらをまとめて [動詞に関連するもの] と呼んでいます。(通常、省略して [動詞に関連])
なぜ一般的な名称を利用しないのかというと、皆さんは目的語/補語って言われて、それがいったい何か想像できますか?
私はこの目的語/補語云々と考えていた頃、英文を素早く作成してアウトプットすることができなかったので、英語を話すのに都合の良い呼び名に変更しました。動詞の後には来るのは [名詞, 形容詞 (たまに副詞)] です。
動詞の後には、動詞に関連したものと覚えておくことで、
動詞の後に何が配置されるのかを脳に強く働きかけたいのです。
英語を話すためにはその方が効果的と考えています。(勿論、それがわかりにくい場合は、目的語/補語と考えてください)
英語がなかなか話せるようにならず悩んでいるのなら、少し英語を単純なものとしてとらえてみましょう。発想を単純化できれば気負いは減り、英語を話す前段階の準備をしやすくなります。それは文型についても同じことが言えます。それについては、こちらの記事を参考にしてください。
英文を作成するルールを解析し単純化していくと、[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)] という基本文にいきつきました。英語を話すための第一段階は、その中の [主語 動詞 動詞に関連] という基本文の核を作成することにあります。英文を一つの単純な線で考えることで、英語を話す土台を形成しましょう。