英語を話すコツを考える。

日本語の発想を活かす

有効な英語とは、技術に根ざした英語

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英語を話す、または英語が話せないということについて考察する時、不思議なくらい技術という話は出てきません。英語を話せない原因は色々と考えられますが、結局のところ、英語を話す技術がないという点に行き着きます。

技術という視点で英語が話せない原因を考察すると、どの部分が足りていないのかが明確になります。今回は技術という視点から英語を分析し、有効な英語を身につける糸口を探ります。

英語を話す技術とは?


英語を話す技術と何気なく使いましたが、そのそも英語を話す技術とはどんなものなのでしょう?


英語を話す技術は、大きく分ければ三つに分類できます。

1, 基本文に、的確な単語を当てはめる技術
2, 必要に応じて、枠組みを拡張できる技術
3, 足りない説明を、接着剤で補足できる技術

 

英語を話すを突き詰めて考えると、状況に応じて上記三つの技術を駆使して言いたいことをひねり出すことと言えます。


言葉にしてしまえば、とても簡単なことのように感じます。

でも実際にそれら全ての技術を身につけていくのには時間がかかりますし、それらを状況に応じて使い分けられるようになるのにはさらに時間が必要です。

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基本文とは、

基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤  説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞(正確には動詞に関連するもの)-[目的語/補語] でも可
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文について詳しくは、こちらを読んでください。


拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、表現できる幅を広げていくことを意味しています。

2 の枠組みの拡張、
2-a, The   key   on   the   table   is   mine. -(主語が拡張)
2-b, I   will   eat   sushi. -(動詞が拡張)
2-c, I   saw   Bob   talking   with   Ken. -(動詞に関連が拡張)

3 の接着剤の利用、
=> I   ate   sushi   +  in   Shinjuku. -(接着剤 説明)


枠組みの拡張、接着剤の利用については、こちらを読んでください。

(主語の拡張についてはそのうち説明予定です)

どうやって英語を話す技術を身につけていくのか?


簡単に言えば、勉強と練習することでしか英語を話す技術は身につきません。


何かしらの英語/英会話の本を読んだだけで英語を話す技術が向上することは決してありません。それは幻想です。もちろんこのブログを読んだだけであなたの英語を話す技術が向上することもありません。
最終的には 1~3 全ての技術を使えるようになることを目指すべきですが、最初から全てを身につけるのは非現実的な話です。


最初は、1, 基本文に的確な単語を当てはめる技術の向上を目指しましょう。


まず自己分析して、基本文の核に [主語 動詞 動詞に関連] に的確な単語を当てはめられていないなら、2, 枠組みの拡張と、3, 接着剤の利用は脇に置いておいて英単語を当てはめる練習をします。

具体的な英語の技術力の身につけ方


最初の目標は [主語 動詞 動詞に関連] に英単語を当てはめる技術の向上です。([動詞に関連(するもの)] でわかりにくいなら [目的語/補語] と考えてください)


まず [主語 動詞 動詞に関連] を、=>  [主語] [動詞] [動詞に関連 (目的語/補語)] と細分化します


2, 枠組みの拡張と、3, 接着剤の利用がない場合、[主語] に収まるのは[I, You, He, She, We, They, It, 名詞単体] のどれかなので、主語をその中から素早く決めて、[動詞] [動詞に関連] に英単語を当てはめる練習をします。


日本語で考えると、

[主語] [動詞] [動詞に関連] で形成される英文は [~は/が  ~する  ~を(に)] です。


そこに収まるように日本語を調整しながら英文を作成していきます。

 

練習にはネット(またはテレビ)のニュースを活用します。

そこから何か [~は/が  ~する  ~を(に)] に当てはまる日本語を抜き出して(または考えて)英文を作成します。


例1, [イチロー引退!]

まず日本語は非常に省略の多い言語なので、頭の中で省略されている部分を補いつつ [~は/が  ~する  ~を(に)] に当てはまる日本語を考えます。

そうすると [イチロー引退!は  =>  イチローがプロ野球選手を引退した] となります。それを [~は/が  ~する  ~を(に)] の中に当てはめると、[イチローは 引退した プロ野球選手を]。


主語は [Ichiro] ですから、[引退した] という動詞を当てはめる技術が問われています
1 の技術の肝は動詞をどれにするかを決定する力と言えます。


[~から引退する = retire from] なので、

=> Ichiro   retired   from   ~

いかに適切な動詞を記憶の中から引っ張り出して当てはめられるかです。

動詞がわからない場合は紙やネットの辞書等で調べてインプットしてください。


動詞を決定したら後は [動詞に関連 (目的語/補語) = (~を/)] ですが、そこに配置可能なのは、主に名詞か形容詞です。(たまに副詞)

ここでは [プロ野球選手] という名詞なので、

=> Ichiro   retired   from   professional   baseball   player.

[動詞に関連] に当てはまる名詞/形容詞/副詞は、動詞に紐づけていくと効果的です。

 


例2, [泥棒が逃走した]

主語は [泥棒] なので [thief] ですね。動詞の [逃走した, 逃げた] を考えてください。

=> The   thief   got   away   from   the   police.

動詞の [get  away] は [escape]、泥棒は [robber (泥棒/強盗)] でも表現可能です。


この場合、別の視点から英文作成を試みることも可能です。[~は 取り逃がした] と捕まえる側を主語にして英文を作ると、

=> The   police   couldn't   catch   the   thief. (警官は捕まえられなかった その泥棒を)


例文を作った時に、一部を変えて英単語を増やしていくと効果が増します。(ここだと泥棒を [suspect (容疑者), criminal (犯人/犯罪者)] など)

他にも [get  away] に注目して、別の意味 [仕事から離れる, 引き離す, 取り上げる] や、 [get  away  with (まんまと持ち去る)] 等を覚え、表現の幅を拡げていくのも有りです。


動詞 [get] の表現の幅については、こちらも参考にしてください。

www.colombiacolom.net


ニュースの他にも、身近な出来事を英文にするのもお勧めです。


例3, [昨日、ボブに殴られた]

この日本語を英語にする場合、[~される/された] だから受動態(受け身)かなとは考えず、[ボブは私を殴った] と [~は/が ~する ~を(に)] に収まる日本語で考えます

[~は/が ~する ~を(に)] に収まる日本語を頭の中で探すのが技術力向上への第一歩と考えましょう。これが非常に重要です。

この練習を行う時、[~は ~する ~を(に)] に収まらない日本語は 最初は切り捨てるくらいの考えで問題ありません。(後から少しずつ強化)

動詞の [殴る  =  punch  人] なので、 

=> Bob   punched   me   ( +yesterday).

他の動詞 [hit(たたく)] [slap(平手で打つ)] 等でも表現可能です。

 


例4, [昨夜、ボブが迎えに来てくれた]

この日本語をよく考えてみると [昨夜、ボブは(〇〇を)迎えに行った] と同じものとわかります。そうすると [~は ~する ~を(に)] に収まる日本語になります。

[〇〇は/が  ~を迎えに行く  =  pick  人  up] なので、

=> Bob   picked   me   up   ( +last night).

[give  away] [pick  人  up] 等は英熟語/句動詞と呼ばれるものです。
(補足:英熟語/句動詞とは動詞と前置詞/副詞がセットになって意味を形成するもの)


英熟語(句動詞)については、こちらの記事も参考にしてください。


利用する日本語を、素早く頭の中で英語の並びにできると楽です。

その時、[~される/された] という日本語だから  =>  受動態(受け身)だなと考えないことが英文作成には意外と大事です。

最初に思い浮かべた日本語が [~される/された] だった場合、頭の中でその日本語を [誰々が ~する ~を] という並びに変換できるようにしましょう。

[〇〇に殴られた]=> [〇〇が 殴った 私を] 、
[〇〇が私を迎えに来てくれた]=> [〇〇が 迎えに来た/行った ~を]

 

日本語を考える段階で人の立ち位置を意識できると英文を作りやすくなります。


これは、誰がした人で、誰がされた人なのかを考え、英文に当てはめるということです。

受動態/受け身は常時使うものではありません。それを理解してください。


それについては、こちらの記事がお勧めです。

www.colombiacolom.net


こういった練習を繰り返していくと英単語のインプットが圧倒的に不足している、またはインプットしたものが日常の日本語と結び付けられていないことが理解できるはずです。


最初の躓きはインプットが足りていないことから大抵起こります。


もし英単語のインプットが全然足りていないと感じたら一度集中して英単語を詰め込みましょう。英語を話すための技術力が不足していて、その技術を最初に支えるのが英単語と考えることができれば、英単語を増加させることに大きな意義を見いだせるはずです。

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またインプットがあっても、それを記憶から引き出す練習/訓練がなされていないとなかなか英語を話す技術は上がっていきません。英単語を引き出す練習をコツコツ続けていきましょう。

反復練習で浮かび上がる疑問?


上記の練習を繰り返すだけでは、[~は ~する ~を(に)] に収まる表現しか活用できないじゃん?と疑問を持つ方もいると思います。


確かにその通りです。それしかやらなければ、当然その中の意味のことしか表現できません。


でも最初はそれでいいじゃないですか。


もし英語が話せないことに悩んでいるのなら、その中の表現なら、どんなものでも表現できるよと言えることをまず目指しましょう。

英語は基本文の核をまず決定して、足りない説明を後から付け足していくことを前提とした言語です。

基本文の核を土台として、その上に技術となる英単語(特に動詞、英熟語/句動詞)を積み上げていくのが重要な最初のステップです。

 

それができなきゃ、何も始まらないと考えてください。

 

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英語を話す技術2 (動詞/動詞に関連の拡張)については、こちらを。


英語を話す技術3 (接着剤の利用)については、こちらも参考にしてください。


英語を話す行為は技術力の結晶です。英語が話せない理由を技術力の無さとみなし、コツコツ技術力を向上させていきましょう。積み重ねれば積み重ねるだけ、あなたの技術は少しずつ向上していきます。ローマは一日にしてならずです。