英語を話すコツを考える。

日本語の発想を活かす

英語の五文型を一度捨てることが、会話力の向上につながる?

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英語の学習が学校で始まると、最初の段階で教わる文法の中に [五文型] があります。S V なんちゃらというやつです。

英語の五文型とは、

  • 第一文型: S + V                (主語 動詞)
  • 第二文型: S + V + C         (主語 動詞 補語)
  • 第三文型: S + V + O         (主語 動詞 目的語)
  • 第四文型: S + V + O + O  (主語 動詞 目的語 目的語) 
  • 第五文型: S + V + O + C  (主語 動詞 目的語 補語)


というものです。覚えていますか?


私は以前の記事で、英語の軸となる基本の文は一つだと説明しました。


基本となる文は、

英語の基本文 : [主語 動詞 目的語/補語  ~ (接着剤 説明)]
([主語 動詞 目的語/補語] までが基本文の核) 

 

基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語  動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)

英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤  説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。

[主語]        ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞]        ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語]  ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)

拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。


基本文についての考え方/説明を詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでください。(基本文の核の作成方法が具体的に書いてあります)


でもそうすると、学校で散々耳にしてきた英語の五文型ってどうなるのって思いませんか。今回は英語の五文型をどうとらえておくと英語での会話に好都合なのかを説明します。

なぜ英語の軸となる文が一つと考えるのか?


私は長い間なかなか英語が話せるようにならずもがいていました。そんな時、英語のネイティブ・スピーカーの方や英語を流暢に話す人は、英文を作成時、何かしらの基準となるものを利用しているのではと、一つの仮説を立てました。その流れでやっと英語の五文型に注目したのですが、どう考えても何かが釈然としないので、ある時からそれを考えること自体なくなっていました。

 

 

私がそう考えるに至った理由は、その時は明確ではありませんでしたが、今はその理由を説明することが可能です。

最初に第一文型を刷り込むことの弊害


学校で最初に教わる文型は、第一文型です。そうするとどうしてもその形が一番脳に強い影響を与えます。


英語の第一文型 [~は ~する/した] は、会話において登場する機会は意外と少ないです。


英語は [~は ~する  ~を(に)] という形で、多くの文が形成されます。


[私は 行った]
[彼は 食べた] で、英文を完結させてしまうと、それを聞いた相手は、

[私は 行った]  =>  どこに行ったの?
[彼は 食べた]  =>  何を食べたの??という疑問を持ちます。


英語の文では、動詞の次の部分も非常に重要な役割を果たしています。

 

第一文型が強く刷り込まれていると、その次に来るもの [目的語/補語] を忘れがちになります。

確かに動詞の次の部分より動詞の方が重要で、動詞が主、次の部分は従という関係性ですが、動詞の次に来る [目的語/補語] は決しておまけではなく、英文を構成するとても重要な要素です。

私はかなり長い期間、その必要性を理解できず苦労しました。これは第一文型を最初に頭に入れたことによる弊害と思います。


なので英語は基本文で成り立っていると考えるようになってから発想を転換しました。


通常、英文には [目的語/補語] が存在し、動詞の使い方によってはそれを必要としない場面があるのだと。つまり英語の中でこの第一文型を例外として把握することにしたのです。そうすることで自然と第一文型は、基本文の中に集約されていきました。

第二文型と第三文型を分けて考える必要があるのか?


今現在、私には英語の第二文型と第三文型は、はっきり言って同じものに見えます。

通常、文法の本に第二文型は、S  =  C だと本に書いてありますが、それを見て「 だから、何?」って思うんですよね。

そんなことを英語を話す時に考えたりしません。それにそれがわかったからといっていったい何があるのでしょう? それは英語での会話に関与していないと感じます。

[S  =  C] ということは、第二文型は動詞の所に [be動詞] タイプか、[become] タイプを中心に利用する文ということを指しているにすぎません。


これは結局 [主語 動詞 目的語/補語] で構成された英文です。それを二つに分けて考えることに何か意味があるのでしょうか?


英語を話すためには一つで考えておく方が好都合です。

 

そもそも [C  =  補語、O  =  目的語] って言われても、補語って何?、目的語って何?って思いませんか? 正直その言葉自体がわかりずらいと言えます。
                       

目的語/補語から、そこに何を当てはめていけばいいのかわかりにくい場合は、動詞の次に来るのは [動詞に関連するもの] が配置されると考えましょう。

動詞が [食べた] なら食べた物が配置され、[行った] なら行った場所が配置されるといった具合です。わかりやすい日本語に変えれば当てはめるものを連想しやすくなります。

 

そう考えてしまえば、はっきり言ってそれが目的語なのか、補語なのかもどうでもよくなります。


勿論、名前なんて何でもかまいません


動詞の次に来るものを簡単に連想できるのであれば、動詞に関係するもの/動詞に従属するもの/動詞に付属するもの等、何でもいいと思います。自分が連想しやすい日本語を活用しましょう。そうすると英文の中で第二、第三文型の二つを分けて考える必要は自然となくなっていきます。

第二文型と第三文型は、英文の感覚を体現していない?


英語の五文型の中で、第二文型、第三文型を合わせたものが、私が考える基本文の形に最も近いと言えます。でも問題なのは英語の第二文型、第三文型では英文の感覚を体現できないという点です。


そもそも英語は、基本の文に足りない説明をどんどん付け足していく言語です。むしろ説明が足りないことを、かなりの部分で前提としています


それなのに、付け足していく表記が全くないのはなぜなのでしょう? 何かそうしておかなければならない理由でもあるのでしょうか?

 


どんなに [主語 動詞 目的語/補語] という三つの枠組みを拡張していっても、表現できない部分が存在します。その時どう対処できればいいと考えますか?

もちろん接着剤を使って説明を補足していけるのがいいのですが、接着剤を使えなくても、それは勉強の過程なのであれば全く問題はありません。

ここで重要なのは何が欠けているのかを理解できているかどうかです。何が欠けているのかを理解できているのと、できていないのには大きな差があります

理解できていれば何をすればいいのかが明確になり、理解できていなければ、なぜ表現できないのかを考えることになります。それは英語上達において大きな差を生みます。

 

要するに基本文の核の部分だけでは、表現できないものがあることを知っておく必要があるということです。

 

だからこそ [主語 動詞 目的語/補語] は基本文の核でしかなく、[主語 動詞 目的語/補語  ~ (接着剤 説明)] までで英語の基本文は形成されていると私は考えているのです。


[接着剤 説明] の詳しい解説、使い方については、こちらに書いてあるのでので読んでください。 

www.colombiacolom.net


前置詞に注目したい場合は、こちらを参考にしてください。

第四文型と第五文型は、第三文型から派生したものでは?


英語の第四文型と、第五文型を、いちいち分けて考える必要があるのでしょうか?

私にはその二つの文型は、基本文の中の [目的語/補語] が拡張し二つになったものに見えます。そもそも第四文型、第五文型が形成されるのは、ある一定の動詞が、それに伴った働きをするときだけです。


それは基本文で考えると、[目的語/補語] が拡張したのと同じことです。


[動詞に関連] が長くなるパターンは、主に三つあります。

a, [主語 動詞 補足 + 目的語/補語] (+ 接着剤 説明)
b, [主語 動詞 目的語/補語1 目的語/補語2] (+ 接着剤 説明)
c, [主語 動詞 接着剤  +α 全てが目的語/補語]


a, He   bought   a   beautiful   flower.  ([目的語/補語] が形容詞等で長くなったもの)
b, He   gave   me   a  flower.  ([目的語/補語] が二つ必要) -目的語/補語の拡張
c, I   can't   believe   what   Bob   said.  ([目的語/補語] が関係代名詞 [what] で置き換えられたもの)

この第四文型、第五文型は細かくみれば若干違いがありますが、どちらも b の [目的語/補語] が拡張したものに分類可能です。

 

 

 

英語の基本文は、[主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤+説明] という四つの枠組みで形成され、説明が足りない場合、最初の三つの枠組みが拡張するか、[接着剤+説明] を利用することで説明を補足していくと考えると、第四文型、第五文型も自然と基本文に集約されていきます。


私は昔から現在に至るまで一度も、-「これは第何文型だからこうだな」と考えて英語を話したことはありません

 

 

重要な事は物事の見方を変えることで、英文に対する発想を簡素化することです。そのために必要なのが、一つに集約された文(基本文)を活用することだと思うのです。
     
もちろん英語の五文型を、自身の英語上達や英語での会話に全く意味のないものだと言う気持ちはありません。文法上それらが必要なことは十分に理解しています。でもそれは英語を話すためにというよりも、英語がある程度わかるようになってから、この文がこうなるのはこういう理由だからという確認や、理解を深めるために使うべきものだと考えています。

 

五つの文型による分類わけは、英語を話すことにはあまり関与していないと言えます。そもそも話すという瞬時の作業工程の中で、[文が五つある] と頭に入ってて得することなんてないのではと思うのです。五つもあると脳から記憶を引き出す作業が複雑化してしまいます。

実際に私が英語を話す時に利用しているのは、基本文に英単語を当てはめるという発想と、それを支える技術力です。

英語を単純な発想で考え、そこに技術という視点をのせていくと、英語に対する見方がだいぶ簡単になります。


英語を話す技術と技術力の向上させ方については、こちらを参考にしてください。

www.colombiacolom.net


また、b の [目的語/補語] の拡張の理解を深めるためには、こちらを読んでください。(特に第三文型、第四文型についてとらえやすくなるはずです)


英語の文法は英語を理解するために利用するものです。

なぜ理解する必要があるのかといえば英語で会話をする、英語を読む、英語を書く、英語を聞くために他なりません。もし英語を話したいけど話せるようにならない(または英語が上達しない)と悩んでいるのなら、英語の五文型というものを一旦脇に置いて、基本となる軸を一つにしてみましょう。