英語を話すコツを考える

日本語の発想を活かす。

動詞 [give] は、あげる・与える以外の視点を持つと英語の幅を拡げられる?

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学校で初期の頃に学ぶ、動詞 [give] で思い浮かべるのは、通常 [~をあげる/ ~を与える] という意味だと思います。英語の [give] はギブアンドテイク等、普通に日本語の会話で使ったりするので簡単な動詞というイメージかもしれませんが、掘り下げていくと意外な効果や良さを目にすることができます。今回はそんな動詞 [give] の [あげる/与える] 以外の視点に注目します。

動詞 [give] には、どんな効果や良さがあるのか?


動詞 [give] にいったいどんな効果や良さがあるのかというと、大きく分けて二つの効果/良さがあります。

1, [give] が持つある視点
2, [give] が持つ立ち位置の良さ


[~をあげる/ ~を与える] という意味を英語 [give] の支点として眺めた時、このもう一つの視点と立ち位置の良さが浮かび上がってきます。

動詞 [give] が持つ重要な視点


1, [動詞 {give} が持つ他の視点]


[give] が持つある視点とはどんな視点なのかというと、それを理解するために下の例文を見てください。
=> He   gave   her   a   book. (彼は あげた/与えた  彼女に 一冊の本を)
=> He   gave   me   a   book. (彼は あげた/与えた  私に 一冊の本を)


この二つの例文を見て、どこかに何か疑問を感じますか?

私はこの二つの例文を眺めると、下の文に対してちょっとした疑問が浮かんできます。どこに疑問を感じるのかと言うと、英語の部分にではなく日本語の部分の [あげた/与えた] についてです。

下の文の日本語は、[彼は あげた/与えた 私に 一冊の本を] となっていますが、=> [彼は くれた 私に 一冊の本を] の方が何かしっくりきませんか?

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もう少し日常会話のようにして比べてみましょう。(ただ勉強しているのは英語なので、日本語の配列は英語の流れに沿った配列のままにしてあります)

=> 彼は 与えたんだよね~ 私に 一冊の本をさ~
=> 彼は くれたんだよね~ 私に 一冊の本をさ~


どうでしょうか?

上の日本語が間違っていると言いたいわけではなく、下の日本語でも問題なく利用できるのでないかということです。上の日本語が間違っているわけではないのなら、そんなことに注目する必要ないじゃないかと思うかもしれませんが、その部分に注目することで、[give] が持つある視点が見えてくるのでそれを掘り下げていきます。

なぜ [くれる] と考えることが可能なのか?


なぜ [give] を [あげる] だけでなく [くれる] と考えることが可能なのでしょう?


考えてみると理由は単純で、[give] の後にきているのが『 me 』だからです。


例1は [give] の後には、[her] が配置されていて、
例2は [give] の後には、[me] が配置されています


そして [give] の後に [me] が配置されることで何が起こっているのかというと、[me] によって『 自分を含む視点 』が文に反映されています。


自分を含む視点とは、英文が自分について話す構成になっているということです。自分を含む視点は [me] の他に、その部分が [us] の時、また主語が [I/We] を利用する時に発生します。

[You/He/She/They] [you/him/her/them] 等は、他者についての事柄を話していますが、[I/We] [me/us] を含む文は自分自身についての事柄を話している文になります。

 

では [I/We] を利用する時と、[me/us] を利用する時の自分を含む視点は同じものなのでしょうか?


その二つの視点にも大きな違いがあります。

二つの違いは、

[I/We] が持つ視点は『 自分がする側からの視点』で、
[me/us] が持つ視点は『 自分がされる側からの視点 』ということです。

 

これを [give] に関係する日本語で言い換えると、

[give  =  あげる] は、自分がする側からの視点で、
[give  =  くれる] は、自分がされる側からの視点


[くれる] という日本語で、[give] の中にある [自分を含む誰々が ~される視点] を表現可能ということです。

[くれる] 以外にその視点を持つのは?


[くれる] 以外にも [~される側からの視点] を持つ日本語が存在します。

 

それは『 もらう 』という日本語です。

 

これ くれたんだよね~(~する側ではなく、~される側の視点)
これ もらったんだよね~(~する側ではなく、~される側の視点)
 
このように [もらう] という日本語も、~する側からの視点ではなく、~される側からの視点を [give] に提供してくれます。

ただこの [もらう] という日本語を考える時、気をつけたいことがあります。それは [もらう] を利用する時、日本語と英語の視点はかみ合っていない点です。


それを確かめるために、[もらう] を例文の [give] に当てはめてみます。
=> He   gave   me   a   book. (彼は もらった  私に  一冊の本を)?!?
 
そうするとなぜか、どこかを間違えた文になってしまいます。何が間違っているのかというと、[もらう] という日本語を利用してこの文を考えた場合、

日本語は [彼は もらった  私に 一冊の本を] ではなく、

=>[私は もらった 彼から 本を一冊] とならないとおかしいからです。

主語の配置自体が異なっています。


もう少し日常会話に近い文で比べてみます。(英文の配列で)
=> 彼が くれたんだよね~ この本さ~
=> 俺 もらったんだよね~ 彼から  この本をさ~

[くれる] と [もらう] では、そこで利用される日本文の主語が異なっていることがわかります。これは異なる二つの言語を利用する時、言語の感覚や文法の違い等により度々起こる一般的な現象です。その部分を踏まえたうえで、[give] の中に存在する [もらう] という日本語を考えていくと正しくは、

[私は もらった 彼から 一冊の本を]
=> He   gave   me   a   book.

[主語][動詞][動詞に関1][動詞に関2]
   
これは以下のことを示唆しています。

[くれる] では日本語の主語は、英語の [主語] に配置され、
[もらう] では日本語の主語は、[動詞に関連1] に配置される。


ということは、[もらう] では日本語の [誰々から] が、英文の『 主語に配置される 』ということです。このことを頭に入れておけば、[もらう] という日本語を利用し英文を作成する場合の無用な混乱を防げます。

あげる/与える以外の視点を英語にどう役立てるのか?


ではその視点は、英語を話すことにどう繋がっていくのでしょう?


[give] の [くれる/もらう] という視点を理解したことで生じる最初の効果は、[くれる/もらう] という日本語を考えた時、これは [give] で対応できるなと発想できる点です。

今まで [give] を [あげる/与える] とだけ考えていたのであれば、そこに [くれる/もらう] という日本語が加わることで、[give] によって表現できる幅を日本語側から拡げていくことが可能になります。でもこれはまだ第一段階にすぎません。

[くれる/もらう] という視点に少し応用を加えることで、英文の作成作業をさらに単純化していけることがこの視点を持つ大きな意味だと言えます。


そこで私がこの視点をどう英文作成に利用しているのかで説明します。私は多くの場合(主語が拡張しない場合)、頭の中で最初に、動詞を何にするかを決めてから英文を作り始めます。どんな文にして話そうかということを決めるのも、動詞をどれにするかを決定することから思考の第一歩が始まっています。


動詞を最初に決めることについて詳しくは、こちらを読んでください。

www.colombiacolom.net


これは主語が拡張しない場合、主語は [I, You, He, She, We, It, They, 人, 名詞単体] の中のどれかなのだから、動詞を決めてしまえば、基本文の主語、動詞までは素早く完成可能という理由からです。


例えば、
a, [~は  あげたんだよね~ ~に ~を]
b, [~から もらったんだよね~   ~を] という日本語を英文にする場合、

最初に重要視するのは、[あげたんだよね~] [もらったんだよね~] という動詞の部分なので、a の場合は [ここは {give} だな~] と当然なります。


では b の場合も同じようにするのかというと、ここに少し工夫を加えます。[くれる] [もらう] を利用する場合は、[ここは {give} だな] とするのではなく、=> ここは『 give me だな。』と発想します。

[くれる] [もらう] を利用する場合は『 give me 』までを最初に頭の中で決定してから、英文の作成を始めていくのです。動詞と一緒に [動詞に関連1] を頭の中で決定してから英文の作成を始めていきます。

 

その方が理にかなっていると思うのです。

 

[give] が利用される場合の文の流れを見てください。

=> He   gave   me   a   book.
[主語][動詞][動詞に関1][動詞に関2]

英語は通常 [主語 動詞 動詞に関連] という基本文で構成され、それでは説明が不足する場合、主語、動詞、動詞に関連、という枠組みのどれか(または複数)が拡張するか、接着剤効果をもった接続詞や関係代名詞などを利用して説明を補足していきます。


動詞 [give] の英文は、

=> 主語 動詞 動詞に関連1  動詞に関連2  で構成されます。


=> He   gave   me /

もし [He  gave  me] までで文を終了させてしまうと説明が不足している英文となります。動詞 [give] の働きかけによって [動詞に関連2] が生じていると考えると英文を理解しやすくなります。([動詞に関連] が拡張している英文)


ここで [give] という動詞を利用する場合の特性を考えてみると、
[誰に あげたのか/誰が もらったのか] と、
[何を あげたのか/何を もらったのか] が、英文の作成時に絶対に必要だということです。

誰に/誰が =>  動詞に関連1
何を/何を =>  動詞に関連2

そしてその中の [ 誰 ] という部分は、基本的に動詞のすぐ後 [動詞に関連1] に来るものです。その [誰に/が] という部分ですが、[くれた/もらった] という日本語の文を考えた時、あなたの頭の中ではいったいどうなっていますか?


通常 [くれた/もらった] と [誰に/が] は頭の中で一体 (または明確)になっていませんか?


日本語の文脈の中では省略可能なものはどんどん省略されていきます。[誰に/誰が] という部分は [私に くれた/私が もらった] という場合、なくても問題がない(省略可能な)ことが多いので、我々はあまりそこに注意を向けません。ただその部分は潜在意識の中(頭の中)では非常に明確になっているはずです。

日本語では、彼がくれたんだよね~と言えば、[私にくれた] ということは理解できますし、彼にもらったんだよね~と言えば、[私がもらった] ということは問題なく理解できます。でも英語では、[誰に] あげたのか、[誰が] もらったのかは省略できないので、文の中で明確にする必要があります。


それなら、
くれたんだよね  =>  [私に] くれたんだから  [gave  me  だな]
もらったんだよね  =>  [私が] もらったんだから  [gave  me  だな] と発想しませんかということです。

 

頭の中で動詞を何にするのかを決定したのと連続して、[誰にくれた/誰がもらった] のかも一緒に決定してから、英文作成を開始するということです。

日本語の潜在意識の中に隠れている [私に/私が] という部分を、[くれる/もらう] という視点から浮かび上がらせることで、それを英語のルールの上に乗せていきます。


そうすることで、英文作成をより簡素化できるはずです。


頭の中で動詞に関連1を、動詞と一緒に最初に決定してしまえば、後は [動詞に関連2をくっつければいいだけ] という状況を作り出せます。

例文を思い出してください。
=> He   gave   me /  +  a   book.
[主語][動詞][動詞に関1] + 動詞に関2
   
[くれる/もらう] という日本語を利用する場合、[動詞と動詞に関連1] を頭の中で一つの塊と考えることで、[主語 {動詞 + 動詞に関連1}  動詞に関連2]  =>  [主語 動詞 + α 動詞に関連] という感覚でとらえていけます。

そうできれば、本当は [動詞に関連1] が拡張して [動詞に関連2] を利用する文なのに、感覚は通常の基本文を作成しているのと同じような感覚で、英文を作成していけるということです。

このように [give] が持つ違う視点を活用することで、表現できる幅を拡張するだけでなく英文作成までの思考過程も簡素化していけます。


補足:1, He   gave   me   a   book.  という文は、
-----> 2, He   gave   a   book   to   me. という文でも対応可能です。

基本の型は、1 だと考えています。(2 の説明は別の機会に予定しております)


[動詞に関連 (目的語/補語)] の拡張については、こちらを参考にしていください。

www.colombiacolom.net


基本文について詳しく知りたい方は、こちらを読んでください。

[give] の [くれる/もらう] で表現できる幅とは?


ここまで見てきたのは、[自分を含む視点]  +  [~された側からの視点] ということについてでした。そうすると次のような疑問が浮かんでくるはずです。

 

[自分を含まない ~された側からの視点] は、[give] には存在しないのかと。

 

そういった視点は確かに存在しています。ただそれは [くれる] では利用できず、[もらう] 利用時にのみ存在する視点です。

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それはつまり、[もらう] を利用する時は [give] の後が [me] でなくても問題ないということです。[give] の後が、[you, him, her, us, them, または Bob等(人)] であっても問題ありません。(人に限ります)


[もらう] という日本語には、[自分 (または他人) を含む ~される側からの視点] があるのです。(くれるの場合は必ず [me/us] を利用します)


では英文を作成する時はどうするのかと言うと、

例えば [彼女は、~から ~を もらった] という日本語の文は、

[彼女は もらった ~から ~を] だから、ここは [~  gave  her] だなと発想します。これは、[(俺)  もらったんだよね~  =>  ~  gave  me] と発想していたものに応用を加えただけです。

[私がもらった  =>  ~  gave  me] と発想できるのであれば、
[誰々がもらった  =>  ~  gave  誰々] と発想するのは決して難しくないはずです。


何かをもらったのが彼女ではなく、ボブだったら [ボブは/が もらった] なので、[~  gave  Bob] と発想し、英文で [主語  gave  Bob  ~を] という形で対応していきます。

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知ったものを使えるものに昇華させていくには、勉強と練習が絶対に欠かせません。[give] の [~される側からの視点] を利用したいのなら、[くれる/もらう] を活用できる日本語を考えて、そこから自分で [日本文  =>  英文] の流れで英文を作成する練習を繰り返し行ってください。英語を上達させるのに日本語の発想を捨てる必要はありません。むしろ有効活用する道を探りましょう。

英語を話すのにどう日本語を活用するかや、他の日本語を活かした動詞の覚え方については、こちらの記事をどうぞ。


どんな英会話の勉強法も突き詰めれば、いかに思い浮かんだ日本語を英文にする練習をするのかです。日本文から英文への変換作業を、自分で考えた例文を使って繰り返し何度も練習していくことで着実に英会話能力は向上していきます。[give] は [あげる/与える] という視点だけで英語の文を考えるのではなく、[くれる/もらう] の視点も加えることで自身の引き出しを少しずつ増やしていきましょう。ローマは一日にしてならずです。