英語を話せるようになりたいのに、なかなか英語を話せるようにならない。このつまずきの最初の原因の1つは、動詞のインプットが足りていないからと考えることが可能です。
なぜなら英文を作成するのに最初に必要なのが動詞だからです。
そこで英語話すために動詞を全部覚えるぞーなんて考えるのは、どう考えても無茶です。全てを1度に覚えようなんてのは無謀ですが、少しずつでも使える動詞を積み上げていくことには大きな効果があります。覚えておくと使い勝手の良い動詞を選び、その動詞が持つ幅を意識しながら英語上達について考えていきます。
日本語の [判断する] を英語で表現するなら?
英語で [判断する] の中心となるのは動詞 [judge] です。
今回は、動詞 [judge] について色々と注目します。
(補足: 日本語の [判断する] は、他に [decide, conclude] などでも表現可能です。それらは別の重要な意味を持ち合わせているので違うタイミング取り上げる予定です)
[judge = 判断する] をどう使える英語にするのか?
動詞を使えるものにするには、日本語で日常的に使っている表現と、注目する動詞の意味をすり合わせて頭に入れていくことが大事です。
最初に頭に入れたいのは、
- 判断する 〇〇を ~で = 主語 judge 動詞に関連 by/from 名詞 (+α)
=> They judged the company by annual sales. (彼等は判断した その会社を 年間売上で)
=> He sometimes judges a person by clothes. (彼は時々判断する 人を 服装/身なりで)
=> He doesn't judge a person by appearances. (彼は判断しない 人を 外見で)
=> They Judge us by the result (that) we've achieved. (彼等は判断/評価する 我々を 達成した結果で)
まず
--- 主語 judge で [誰々は 判断する/した] ことを明示し、
--- 主語 judge +〇〇 で何(または誰)を判断する/したのかを示し、
--- 主語 judge +〇〇 +by/from 名詞(+α) で何によって(何で)それを判断する/したのかを説明します。(意味が評価するの場合も有り)
なので [判断しないで 誰々/何々を ~で] としたいなら、
=> Don't judge me by ~.
[判断しない方がいいよ 誰々/何々を ~で] としたいなら、
=> You shouldn't judge people by looks. (判断しない方がいいよ 人を 外見で)
(ここでの a person は people、appearances は looks でも同じ意味です)
[~した方がいい] の助動詞 [should] は、こちらも参考にしてください。
この [判断する = judge] は、色々な状況から推測/加味して何かを判断する場合と、そういったものを全く考慮せずに判断が行われる場合(自らの好み/嗜好での判断)のどちらでも可です。どちらの場合でも使用可なのは非常に大きな利点です。これをベースと考えます。
by/from は前置詞なので、その後に付け足せるのは、名詞か名詞系(名詞句/名詞節)です。
意外と頻度の副詞 [always, usally, often, rarely, never] 等と相性が良かったりします。
頻度を表す副詞については、こちらを読んでください。
この型を使って、
=> You can't judge by appearances.
この表現は [人は外見だけじゃわからない(よ)] という意味になります。外見だけで判断して墓穴を掘るのは英語圏でも変わらないようです。これは下の表現でもほぼ同じ意味で利用可能です。
=> You can't tell a book by its cover. (本の内容は判断できない その表紙だけで = 人は見かけによらない)
可能性などの表現を手助けする [can][could] については、こちらをどうぞ。
ベースを頭に入れたら、次はその発展型です。
- 判断する 〇〇が~だと = 主語 judge (that) 基本文.
=> I judged (that) the news was true. (私は判断した そのニュースは真実だと)
=> I judged (that) the news was not true. (私は判断した そのニュース真実ではないと)
=> Ann judged (that )Bob was not clever. (アンは判断した ボブは賢くないと)
=> Bob judged (that) Ken was a betrayer. (ボブは判断した ケンは裏切り者だと)
こちらは、[〇〇は判断する/した + 〇〇は ~だと] という表現が可能なので、付け足せる説明がより柔軟です。
日本語から英語の動詞(今回であれば judge)を引き出せるように、日本語を英語の並びで考えるのがお勧めです。[判断する] を英語にしたいと思った時、候補として [judge] が持つ英文の流れを引き出せるのが理想です。
英語の文法的な解釈をすると、[主語 judge] の後の [that] 以下が大きな目的語となっているのですが、感覚で言えば動詞 [think] と同じなので、以下のように考えるのも有りです。
=> I think (that) + 基本文.
=> I judge (that) + 基本文.
正直、こう考える方が簡単に思えます。
第2言語は話すためツールなので、自分が使いやすい/解釈しやすい方で考えることをお勧めします。(勿論、その言語のルール則っていることが大前提です)
3つ目は、
- ~から判断する/察すると ~ = Judging from/by 名詞, + 基本文.
=> Judging from her expression, she doesn't like Bob. (彼女の表情から判断すると 彼女はボブを好きではないようだ)
=> Judging from my experience, he is from India. (私の経験から判断すると 彼はインド出身だ)
=> Judging from the sky, it will rain. (空の様子から察すると 雨になるだろう)
=> Judging from what Ann said, Bob must be a nice guy. (アンの発言/口ぶりから判断すると ボブは良い奴に違いない)
単純な名詞の他に、関係代名詞 [what] を使った名詞の塊 [what 主語 動詞 = ~する/したこと(もの)] を当てはめられると表現できる幅が拡がります。(関係代名詞 [what] についてはそのうち説明予定です)
Judging from/by what 主語 動詞, + 基本文.
名詞や関係代名詞 [what] 以下を入れ替えて、自身の中の [判断する] で表現可能な幅を拡げていきましょう。
英語は文の並び/配列に厳格さを持つ言語です。
=> [主語][動詞][動詞に関連するもの(目的語/補語)] ~ (接着剤 + 補足) という配列に通常なっています。
3つの要素 [主語][動詞][動詞に関連] は単独だったりルールの範囲内で長くなったり、[接着剤+補足] はなかったり複数使われたりすることで英文は形成されます。
前の3つを基本文の核、[接着剤+補足] までを含めたものを基本文と呼んでいます。英語を自分の中で簡素化することは、英語を話す上に非常に重要な要素の1つです。それと身につけてきた動詞が重なり合うことが英会話上達への最初のステップになります。[動詞に関連(するもの)] は目的語/補語と考えて頂いても結構です。自分が解りやすい形で英文を簡素化してしまいましょう。
基本文については、こちらを読んでください。
動詞 [judge] で表現可能な他の意味
動詞 [judge] は、[判断する] 以外の意味でも利用可能です。[裁判する/判決を下す, 審査する, 批判する] 等。
=> The court judged her guilty. (裁判所は判決を下した 彼女に 有罪の)
=> Bob is going to judge the dog show this weekend. (ボブは審査をする予定です ドッグショーの 今週末)
使い勝手の良い表現として、[I don't mean to judge you] があります。意味は [批判するつもりはないよ/ないけど.... ~] となります。
=> I don't mean to judge you. (批判するつもりはないよ あなたを)
=> I don't mean to judge you, + 基本文. (批判するつもりはないけど.... ~)
動詞 [judge] を覚えるのに、[裁判する, 判決を下す] 等より [判断する] を優先させてほしいのは、そちらの方が日常会話で力を発揮するものだからです。
何かに対して [判断する/判断を下す] を [judge] の中心としてインプットを進めることで軸を作りましょう。その軸に他のものをぶら下げていく/絡めていく感覚です。
また動詞に限らず英単語をを覚える時は、例文を自分で作成しながらインプットを行いましょう。動詞と名詞/形容詞を連動させることは記憶を点ではなく線にできるので、アウトプットに好影響です。
英語を気軽に使える環境が周りにない中で英会話能力を向上させるには、どう英語の動詞を引き出せるかが大事になってきます。そのための工夫が日常使っている日本語とのリンクだったり、日本語を英語配列で考えることだったりします。
そして、後は練習です。
練習し練習し、また練習する。ここで言っている練習は1人で行う練習です。日本語の [判断する ~を] を思い浮かべた時、瞬時に [judge] を記憶から引き出し英文を作成できるように練習するということです。1日で無理なら1週間で少しずつでも積み重ねていきましょう。
漫画寄生獣で主人公の新一がこんなことを言ってます。
なんだ...... ほとんど可能性ゼロに近いじゃないか!......
でもやらなけりゃ......確実にゼロだ!! (単行本10巻より)
ローマは1日にしてならずです。