英語の現在完了形は日常の会話で頻繁に利用されるものです。
その現在完了形には、それを利用する時に説明を補完してくれる便利なものがいくつか存在しています。今回はその現在完了を補完してくれるものに注目し、それらをどう使えるようにするかを説明していきます。
現在完了を補完してくれるものとは?
英語の現在完了を補完してくれるものを見ていく前に、現在完了形がどういったものかを簡単に説明しておきます。
現在完了形は『 ある過去から現在まで続いていること』を表現する時に利用するものです。
形は、[主語 have/has 動詞の過去分詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
=> I have finished my work. (私は 終えた 仕事を)
現在完了形は、ある過去から今現在まで連続している/継続している行為を表現しているので、この文の正確な日本語は [私はある時期から続けていた仕事を今終えた] ということです。
現在完了形を使うことで、相手は [ある時期から今も続けている/続いている] ことを話していると判断できます。
単純な視点で考えると、現在完了形は基本文の動詞が拡張した文と考えられます。
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 目的語/補語 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 目的語/補語] までが、基本文の核)
英文は [主語] [動詞] [目的語/補語] [接着剤 説明] 四つの枠組みで構成され、それらの枠組みは状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[目的語/補語] ,,,, 名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it/たまに副詞。(単純に動詞に関連するものと考えるのも可)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていくこと] を意味しています。
英語の基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
現在完了形の詳しい説明については、こちらを読んでください。
英語の現在完了を補完してくれるもの -1
現在完了形を補完してくれるものは幾つか存在します。
最初に取り上げるのは、
already => もう(肯定文)
yet => もう(肯定文) / まだ(否定文)
[already] は、既に行った行為を [もう(既に)~] という形で強調したい時に使います。
配置する場所は、have と動詞の過去分詞の間です。
=> I've already finished my work. (私はもう終えた 自分の仕事を)
=> Bob has already gone. (ボブはもう{既に}行ってしまったよ)
これは [予期していたより早く (~した)] ということです。
[yet] は二つの意味で使われます。
疑問文 => もう (~した?)
否定文 => まだ (~していない)
配置する場所は、基本、文の最後です。
=> Have you finished your work yet ?? (あなたは終わったの 仕事は もう)
これは [相手が~するのが予定より早く終わったとき]、または [~するのが終わったかを急かすとき] に有効です。
=> I have not finished my work yet. (私は終えてないよ 仕事は まだ)
これは [自分がしていることが終わっていないことを強調] します。
英語の現在完了を補完してくれるもの -2
続いて取り上げるのは、以下の二つ。
ever => 今までに~(疑問文で) / 今まで~(肯定文で)
never => 今までに一度も~したことがない / 決して~しない
[ever] は [今までに~ (疑問文で)]、[今までで~ (肯定文で)] という意味で使われます。
疑問文の [今までに~] ということは、基本的に生まれてから今までの期間ということです。
=> Have you ever seen the picture ?? (あなたは今までに見たことある? その絵を)
=> Have you ever been to Europe ?? (あなたは今までに行ったことある? ヨーロッパに)
形は [Have 主語 ever 動詞の過去分詞 ~] となります。
英語の現在完了形は、ある過去から現在までの連続性を表現するものなので、[ever] とはとても相性がいいです。基本的に [ever] は疑問文で使われ、肯定文で使うのはある一定のパターンでのみと考えましょう。
肯定文での主な形は、
1, 主語 動詞 最上級 ever.
2, 主語 動詞 最上級 (関係代名詞) 主語 have ever 過去分詞
=>This news is the most interesting ever. (このニュースは 最も興味深い 今までで)
=>He is the tallest man (who) I've ever seen. (最も背の高い男です 今まで会った中で)
[最も~だ 今までで] ということを表現するので、最上級とセットで使われます。最上級とは、[the most 形容詞/the 形容詞est] のことです。(そのうち説明したいと思います)
[never] の意味は、大きく分けて二つあります。
1, 今までに一度も~したことがない
2, 決して~しない
1, [今までに一度も~したことがない]
=> I've never seen the picture. (私は 一度も見たことがない その絵を)
=> I've never been to Europe. (私は 今まで一度も行ったことがない ヨーロッパに)
形は [主語 have never 過去分詞 ~] で、現在完了形とセットで使うことで過去に一度も体験したことがないと表現できます。基本的に、今までの過去全部についての説明なので、近い過去、最近のことと一緒に使うと違和感が生じます。
x ,,, I've never seen her since yesterday.
o ,,, I haven't seen her since yesterday. (会っていない 彼女に 昨日から)
近い過去、最近のことは [never] ではなく、[not] を活用しましょう。これは [ever] にも同じことがいえます。
こちらに実際の [never] を利用例があるのでどうぞ。
2 は完了形以外との組み合わせで、三つのパターンに分けられます。
b, 一度も~しなかった (過去の習慣) => never 動詞の過去形
c, ~することは決してないだろう(将来の予測) => will never 動詞の原形
使い分けは簡単です。
=> He never tell a lie. (彼は 決して 嘘をつかない)
=> He never told a lie. (彼は 決して 嘘をつかなかった)
=> He will never tell a lie. (彼は 決して 嘘をつかないだろう)
be動詞の場合は、[never] の前で使います。
=> He is never at home. (彼は 決して/通常いつも 家にいない)
どうやってそれらを使えるものにしていくのか?
[already] と [yet] ですが、[already => もう]、[yet => もう/まだ] を見てどんなことを感じますか?
私はこれを非常に面倒な仕組みと感じるので、[already => もう]、[yet => まだ] としています。全く反対の意味の言葉を同じ単語で表現できるのは、素晴らしいことのようにみえて、実は頭が混乱する要因となります。
なので [yet = まだ] とだけ考えることにします。
理由は [もう = already] と頭に入れたいのと、[~できた?] か聞かれた時に便利に利用できる [Not yet. (まだです/まだだよ)] という表現と感覚を連動させたいからです。
この [まだ~] で使える [yet] を使いこなせるようになると、次の文を展開をしやすくなります。
日本語で考えてみるとわかりやすいと思います。
=> ~してない という文より、
=> ~してない まだね のように [まだ] があると、
その後に、
=> でも、あと少しで終わるよ
=> もう少しかかりそうだよ
=> だから、ちょっと待ってて などと続けやすくなります
そういった後に続く文を一緒に考えるとより効果的なので、[yet] を使った英文の後につなげられる英文を考えながら [yet] を勉強していきましょう。
[ever] は、[already/yet] と同じように文を強調するものです。基本使わなくても大きな問題はありません。なので最初のうちは使わないことにします。
ただずっと使わないのももったいないので、現在完了形を使うのに慣れてきたら => [Have you ever 動詞の過去分詞 目的語/補語 ~?] という形で使うことで [ever] の感覚を養い、その後、=> [This news is the most interesting + ever.] とたまに文の最後で利用できるように練習します。
[ever] は強調の他に、会話にリズムと躍動感をもたらしてくれます。([yet] にも同じことが言えます) 基本なくてもいいけど、またに使おうくらいの感覚で頭に入れましょう。
[never] は [1, 今までに一度も~したことがない] を中心と考え、[2, 決して~しない] は使い過ぎないようにします。
なぜ使い過ぎに気をつけるのかというと、[決して~ない] ということは物事を断定することです。断定し過ぎることは、相手を不快にする要素の一つになります。
=> 決して彼は成功しないよ
=> 決して俺はミスしない 等と、
しょっちゅう言われたら良い気しないはずです。
なので基本 [not] を使い、[never] は協調したい時にを使う事にします。
最初のうちは使うものを狭めておくとアウトプットがしやすくなります。どれを使いどれを使わないということを決めて頭の中を整理しておきましょう。それが現在完了やその補足部分を実勢んで使いやすいものにします。使うものを狭めて使えるようにする方法は、こちらでも説明しているので参考にしてください。
[already/yet] も [ever/never] も、たまに使うからこそ効果を発揮すると考えると気が楽になります。これらは現在完了形とのみ一緒に使うものではありませんが、現在完了形と相性が良くその意味を効果的に補足してくれるものです。使えるように勉強と練習を積み重ねていきましょう。